「ハマっている状態です」MOTULがまさかの最下位。5番手Niterraと明暗別れたニスモ陣営/第2戦予選

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2025年05月03日 22:20  AUTOSPORT web

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優勝候補の一角に挙げられていた23号車MOTUL AUTECH Zだったが、予選ではまさかの15番手最下位に
 GRスープラ勢が表彰台を独占したスーパーGT500クラス開幕戦の岡山。今回の第2戦富士スピードウェイは、ホンダ・シビック勢、そしてニッサンZ勢の巻き返しに注目が集まったが、予選ではニッサンのエース車両である23号車MOTUL AUTECH Zがまさかの15番手最下位となってしまった。同じニスモの3号車Niterra MOTUL Zが5番手を獲得するなか、23号車には何が起きていたのか。

「ただ、ただ遅かったです。特にトラブルがあったわけでもなく、アタック自体も問題なく、ただパフォーマンスがありませんでした。あまりにも前とは差があるので、ひとつずつ原因を見つけていきたいですね」と、力なく話すのは予選Q1を担当した23号車MOTULの高星明誠。チームメイトの千代勝正も予選日の苦労を振り返る。

「フリー走行から予選に向けてセットアップをアジャストしたのですけど、ちょっと解決方向に向かわなくて。まだ原因は掴めていないですけど、グリップが得られていなくて、ピークのパフォーマンスが出せていない。思った以上に良くなくて、タイム差も大きいので、原因はなんなんだろうと。簡単にいうと、ハマっている状態です」

 その一方、3号車Niterra MOTUL Zは公式練習走行で2番手タイムをマークすると、予選Q1は三宅淳詞が9番手で突破。予選Q2を担当した佐々木大樹は5番手タイムをマークしたが、実はこのタイムもロスがあってのタイムだったという。

「Q1でニッサン勢が結構、沈んでしまった中で三宅選手がQ1をなんとか通ってくれて、そこでいろいろアドバイスをもらって、多少セットアップを変えました。トップとはだいぶ差がありましたし、スープラ勢が速かったので、もうマン振りしようと決めてすごくアタックで攻めました。そうしたら13コーナーで攻めすぎて、車高もギリギリ低くして攻めていたので縁石に乗って跳ねてしまって、おそらくコンマ2秒くらいロスしてしまいましたね。それがなければ……まあ、タラレバですけど、トップ3には入れていたかなと思います。ロスはありましたけど、攻めたこと稼いだ部分もあるので、攻めてよかったなと思っています」と佐々木。

 ニスモの2台のこの大きは違いは一体、どのような理由によるものなのか。改めて千代に聞く。

「細かくいうと違うタイヤを選んでいるところはありますが、オフのテストでは僕たちが選んだタイヤの方がピークのタイムが出ていて、開幕戦でも同じ系統でいいタイムが出ていたので、今回タイムが出ないのが本当に不思議です。この順位には僕も正直、びっくりしています」

 もちろん、23号車としてはこの順位のままで終わるわけにはいかないが、まずは不調の原因の見極めが最優先になる。

「何か答えを見つけないと前に進められない。僕たちの強みは2台体制で参戦しているので3号車がうまく行っているのならば、その3号車のセットを採用してもいいと思うし、そこは柔軟に2台でいいものを取り入れて、今は23号車がハマっていますけど、切り替えてやっていければと思っています。このまま、よくわからない状態で次のセパンまでは絶対に持っていきたくないので、このレースウイークできちんと答えを出せるように、タダでは終わるつもりはありませんので、大丈夫です。ポジティブに考えていますよ」と、笑顔を見せる千代。

 一方の3号車も23号車を当然、意識はしているが、さらに先の目標について佐々木が話した。

「23号車とはセットアップのコンセプトも違いますし、とにかく23号車というよりも1号車(au TOM'S GR Supra)に勝つためにというところをすごく考えてやっています。23号車とは違う、僕たちなりのコンセプトでやっている中で、うまくハマってきているのかなと思います」と佐々木。

 予選では完全に明暗が分かれてしまったニスモの2台、決勝ではどのような展開になるのだろうか。

 ニスモの2台と同じく、今季躍進著しいヨコハマタイヤ勢の24号車リアライズコーポレーションADVAN Zも優勝候補の1台として注目されていたが、予選ではまさかの14番手に後退。同じヨコハマ勢の19号車WedsSport ADVAN GR Supraが予選2番手を獲得しただけに、完全に明暗が別れる結果となった。

 Q1を担当した24号車の名取鉄平は「普通に、今ある全力のアタックで、ドライビング的にはすごく満足はしています。ただ、自分の100パーセントを出してもダメでした。19号車とは持ち込んだタイヤがかなり違うので、24号車の方は今回はマッチしていませんでした。決勝でもしぶとくひとつでも順位を上げて、なんとか入賞を狙いたいです」と、予選後にコメント。どうやら持ち込んだタイヤに起因する14番手だったようだ。

[オートスポーツweb 2025年05月03日]

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