17年にはDIR EN GREYとの対バンイベント『ANDROGYNOS』を神奈川・横浜アリーナで開催した。同時期にメジャーデビューしたが、その独自すぎる突き抜けた世界観ゆえに交わりそうでいて遠くにいた両バンド。本人たちよりもファン同士がライバル視、いや、時に敵視していた節もある。それを逆手に取ったようなイベントは歴史的事件だったのだ。
お互いの楽曲を意識した2DAYSのサブタイトルも話題になった。1日目はPIERROT「メギドの丘」を元にした『ANDROGYNOS - a view of the Megiddo -』、2日目はDIR EN GREY「アクロの丘」を元にした『ANDROGYNOS - a view of the Acro -』である。それもあって、このイベントはお互いのファンから“丘戦争”とも呼ばれた。
さらに24年に再び両バンドが激突。『ANDROGYNOS -THE FINAL WAR-』と題された2DAYS。今度は1日目がDIR EN GRAY「蒼い月」から『ANDROGYNOS - under the Blue Moon -』、2日目がPIERROT「朱い月」から『ANDROGYNOS - under the Red Moon -』である。舞台は地球から宇宙へ、“月戦争”に突入した。しかも会場が当時ヴィジュアル系ファンの交流スポットだった原宿・神宮橋からほど近い代々木第一体育館というのも、原風景を知る古いファンには感慨深いものがあった。両バンドの最後の聖戦はお互いがリスペクトし合う愛にあふれたものとなった。
■Kアリーナ横浜での“最後のライブ”
そして、PIERROTは今年2月に開催したライブ『END OF THE WORLD LINE』にて、5月17日、18日に神奈川・Kアリーナ横浜でワンマンライブ『LASTCIRCUS』の開催を発表した。初日には「- FINALE -」、2日目には「- HELLO -」とサブタイトルが付けられている。メジャー1stアルバムタイトルが『FINALE』であることは先述の通りだが、2006年4月の解散発表後、ラストシングルとして6月にリリースされたのが「HELLO」であった。14年4月12日、新宿アルタビジョンでの再集結告知の際にも「HELLO」のミュージックビデオが流された。「HELLO」のミュージックビデオは、キリトがマイクスタンドを蹴ったシーンで終わったが、このときのミュージックビデオでは新たなカットが追加され、蹴ったマイクスタンドを拾い上げるシーンが加えられた。