
昔から「新人は見て覚えろ」なんていう人もいるが、人材育成として本当にそれでいいのだろうか。「新人に『見て覚えろ』はあり?なし?」というテーマで投稿を募集したところ、大阪府の40代女性は「無しですね」という意見を寄せた。
女性は飲食店で働いた経験をもとに、次のように語る。(文:西荻西子)
「言葉で説明したら腑に落ちることも、見ているだけでは全く理解できず、一向に進歩しないことが多いです」
ただ真似るだけでは意味がない?
女性は、配膳業務を例として挙げる。
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「たとえばディナー皿の4枚持ち、ワイングラスの10個持ちなど、具体的にこの順番、この角度など、丁寧に教えられてこそ可能だと思います」
たしかに、先輩が大量の料理やグラスを配膳している姿を目にしても、新人は「すごい」と感じるものの、そう簡単に真似はできない。同じことをやってもミスする可能性もあるだろう。先輩からコツを教えてもらうほうが効率はよさそうだ。
一方で「見て覚えろ」が有効な場面もあるとする。例えば、団体客が退店した後の片付けだ。「下っぱはポリバケツに残飯集め」「まずはシルバー(カトラリー)だけトレーに回収」「次に同じサイズのお皿をまとめて回収」といった作業なら見るだけでも分かることは多いと指摘する。
ただ、イレギュラーな対応が必要なときもある。その店では1人だけ客が残っている場合は、気を使って「1人がひとテーブルごとにすべての種類の食器を静かに片付ける」としている。
「これを知らないと他のスタッフから大顰蹙を買います」
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さらに普段と異なる対応をしたら、その理由を聞かれることもある。「〇〇の理由で、今回だけ〇〇な対処をした」と説明しないといけないため、“なんとなく”は通用しない。
形だけ真似ても意味はなく、その背景まで理解していないといけない、ということなのだろう。だとしたら、先輩が最初からしっかり教えたほうがいい。女性は、「見て覚えろは、先輩や上司の能力不足または手抜きなのでは?」とコメントしていた。
※キャリコネニュースでは「新人に『見て覚えろ』はあり?なし?」をテーマに投稿を募集中です。回答はこちらから https://questant.jp/q/LAKDAKOT