
「職場に外国人の同僚がいる」という話を聞いたり、買い物や食事をするお店で働く外国人を見かける機会が増えたと感じる人は少なくありません。実際、厚生労働省によると外国人を雇用する事業所は全国で34万2087カ所にのぼり、過去最多を更新。前年比7.3%の増加となっています。
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こうした背景のもと、言葉や文化・習慣の異なる人々と一緒に働く中で、思わず驚いたり戸惑ったりする出来事も増えてきました。外国人アルバイトと日常的に働いている人たちは、どのような経験をしているのでしょうか。
「言葉が通じる方がいいかな?」と思っていたけれど
関東在住で飲食業に従事する20代のAさんの職場は、大手飲食チェーン店です。パートやアルバイトが多く、少数の正社員とともに店舗を運営しており、新人教育もアルバイトリーダーに任されることが多いそうです。
この職場でも近年、留学生や技能実習生などの外国人スタッフが増えてきました。お客様との会話が少ない業務が中心ということもあり、作業を覚えれば即戦力となるケースも多く、Aさんも「人手不足を補ってくれて助かっている」と話します。
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ただ、ひとつ反省点もあったといいます。それは、新人教育を外国人スタッフ同士に任せたことです。はじめは母国語で教え合える方が理解しやすいだろうと考えて任せていたところ、やがて作業手順の省略や、スタッフごとにやり方がばらばらになってしまったのです。
「私たちは相手の母国語がわからないので、目の前で『今日は面倒だからやらなくていいよ』などと話していても注意できませんでした。しかも、国籍の違いによって小さな派閥のようなものもできてしまい、結果として混乱を招きました。今では社員や経験豊富なアルバイトリーダーが日本語できちんとマニュアルに沿って根気強く教えています。その方が覚えるのも早かったですね。やはり横着してはいけないと実感しました」
「良かれと思って」の判断も、その後の結果をきちんと確認する必要があるようです。
母語同士の人が喋っていて盛り上がってると気になる
関西在住で40代のBさんは、大手スーパーで長年パート勤務を続けています。近所に住む同年代のパート仲間とともに、働きやすい職場だと感じていたそうです。
外国人アルバイトが入ってきた際にも、Bさんは積極的に話しかけ、交流を図っていました。ところが、同じ国籍のスタッフが増えるにつれて、彼らの会話は母語が中心となり、勤務中もその言語で盛り上がるようになっていきました。
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こちらを一瞥して大声で笑われる場面もあり、何を話しているのか分からないことが、かえって不安や不快感につながったといいます。
「日本語を学びに来たんじゃないの?と言いたくなる時もありますが、逆の立場で考えれば、母語で自由に話したくなるのも当然だと思います。私たちが日本語で話していたとき、彼らも同じように感じていたかもしれませんね」
言葉の壁が簡単に取り除けるものではないことを、改めて感じたそうです。
会社に仕事に来るときと別人でびっくりした!
関東在住で50代のCさんは、食品工場でパート勤務をしています。勤務先では数人の技能実習生を受け入れており、若い女性たちはノーメイクに髪をひとつにまとめ、地味な服装で真面目に仕事に取り組んでいました。
「お金を貯めて家族に送金したりしているのかな」と感じていたCさんでしたが、ある日、夜遅くに外出先から帰る途中、駅のロータリーで大きな声をあげて騒いでいる若者の集団に遭遇しました。
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あまり見かけない集団だと思ってよく見ると、そこには職場の実習生たちの姿が。普段の姿とは打って変わって、派手なメイクと服装で盛り上がっていたのです。
「みんな思いっきりおしゃれして楽しそうにしていました。職場での印象とのギャップが大きくて、驚くと同時に、自分の見方が一面的だったのだと気づかされました。思い込みはいけませんね」
普段接している姿だけで人となりを決めつけず、多面的に見ることの大切さを感じた出来事だったそうです。
【参考】
▽厚生労働省|「外国人雇用状況」の届出状況(概要版)
◆沼田 絵美(ぬまた・えみ)人材業界や大学キャリアセンター相談業務などに20年以上携わる国家資格キャリアコンサルタント。
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