愛子さまへの気遣いを欠かさない佳子さま、期待される弟・悠仁さまの園遊会“デビュー”の行方

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2025年05月25日 21:00  週刊女性PRIME

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園遊会に出席した佳子さまは、艶やかな振り袖姿でも出席者らを魅了(2025年4月22日)

「ゴルフ界のために大変、尽力なさいました」

 天皇、皇后両陛下が主催する春の園遊会が、4月22日、東京・元赤坂の赤坂御用地内の赤坂御苑で開かれた。漫画家のちばてつやさん、火災で焼失した沖縄県那覇市の首里城の復元に取り組む歴史学者で琉球大学名誉教授、高良倉吉さんら各界の功労者約1400人が出席した。

「お道筋」と呼ばれる3つのルート

 陛下は、プロゴルファーの青木功さんを冒頭のようにねぎらったうえで、「私もちょっとだけ(ゴルフを)やりましたけれど、なかなか」と、話した。青木さんが、「お忙しいからね、チャンスがありましたら手ほどきしますよ」と、答えると周囲から笑い声が上がっていた。

 この日、皇后雅子さまや秋篠宮妃紀子さまたち女性皇族は、和服姿だった。園遊会は昨年まで、両陛下を先頭に一列で進むやり方だった。しかし、会場が赤坂御苑となった1963年以来初めて、今回から、出席者らと交流の機会を増やす目的などのため、「お道筋」と呼ばれるルートが3つに分かれた。

 両陛下のルートとは別に、秋篠宮ご夫妻と常陸宮妃華子さまたちのルート、それに両陛下の長女、愛子さまや秋篠宮ご夫妻の次女、佳子さまたちのルートが設けられた。両陛下の歩く道沿いだけでなく、愛子さまと佳子さまたちが歩く周辺にも、出席者たちが大勢集まり、歓談した。周囲の新緑に溶け込むような、うぐいす色の振り袖を着た佳子さまは、柔らかな笑顔で話しかけたり、一人ひとりの目を見て、じっくりと話に耳を傾けていた。また、淡い水色の振り袖姿の愛子さまは出席者に、「何を召し上がりましたか」などと、質問したという。

《今回の園遊会でも佳子さまが、初参加で緊張ぎみの愛子さまを気遣うように、何度もやさしく声をかけるなど、姉妹のように仲睦まじい様子がニュースなどで伝えられた。佳子さまと愛子さまの活躍は、国民をホッと和ませる。今年、2人の内親王のさらなる成長が楽しみだ》

 昨年4月、春の園遊会が開催されたが、愛子さまはこのとき、初めて園遊会に参加した。当時、この連載で、2人の園遊会での様子を紹介しながら私は、このように書いたが、今年の愛子さまは実に堂々としていて、成年皇族としての成長が感じられた。

長所、短所についてですが、長所は興味のあることを徹底して追求することができるところだと思います。言い換えると心惹かれるものに対して、没頭できるということです。例えば、夏の休日に、お昼過ぎから、林の中や池の周りでトンボを観察していますと、気がついたら日が暮れてしまっていたということもよくありました。

 ただこれは、見方を変えてみますと、短所と捉えることもできます。それは時としてこだわりを持ちすぎてしまうということです。場合に応じて、柔軟に対応できるようにしていきたいと考えております。

 続けて、興味についてですが、幼少のころから昆虫には興味を持っておりましたが、最近は植物にも関心を持っています。昆虫と植物を観察していますと、虫が食べる草である食草や、生息環境、受粉などの観点で多く関連があると思います」

「(中略)最後に、トンボの研究の魅力についてですが、まず、トンボは、体の色や姿の美しさ、多種多様な環境に生息し、環境指標にもなること、そしてトンボの翅をプロペラに応用できるように、バイオミミクリーという分野に活用できることなどの魅力があると思います。トンボは身近な昆虫でありながら、まだ解明されていない部分もあり、新たな知見を得ることができたり、トンボの分野から、それ以外の分野につなげることができたりするところも、魅力であると考えています」

 佳子さまの弟、悠仁さまが成年皇族となり、今年3月3日に記者会見が行われた。悠仁さまは会見で、記者の質問に答えながら、前述したようにトンボ研究の魅力などについて語っている。

悠仁さまのトンボ研究

 興味深いことに、園遊会の主要な舞台となった大池や中の池、あるいは、菖蒲池付近は、現在、筑波大学生命環境学群生物学類1年生である、悠仁さまのトンボ研究のフィールドでもあるのだ。都心にあって、約51万平方メートルにも及ぶ大規模な緑地、赤坂御用地で、生息するトンボ類のモニタリング調査を行い、その成果を悠仁さまは、他の研究者たちと一緒に、『赤坂御用地のトンボ相―多様な環境と人の手による維持管理―』という論文にまとめている。

 この論文の中で大池は、《赤坂御用地内で最大の水域になっている。面積約8122平方メートル、水深は深いところでは約1・6メートルで(中略)池の周囲の大部分は樹木で囲われているが、北西部は開けており芝生の広場に面し》などと紹介してある。中の池は、《赤坂御用地のほぼ中心にあり、面積約6817平方メートル、最大水深約1・1メートルである(中略)池には小島があり、石橋が1つ架かっている》などと書いてある。

 2012年から'22年までのこの調査で、オツネントンボ(絶滅危惧IA類)、アオイトトンボ(絶滅危惧2類)、オニヤンマ、リスアカネ(準絶滅危惧種)など8科38種が確認された。オツネントンボは、菖蒲池のカキツバタ群落やショウブ群落で確認している。アオイトトンボは、菖蒲池のショウブ群落や中の池などで発見した。また、リスアカネは、菖蒲池や大池などで確認したと、論文に記載されている。あわせて、悠仁さまが撮影したのだろうか、美しいトンボのカラー写真なども収められている。

 園遊会の出席者たちのいない、閑散とした赤坂御苑を思い浮かべてほしい。その中を、トンボを採集するための網やカメラを手にした悠仁さまが黙々と歩き回り、調査を進めていたのだ。

「公的な活動についてですが、大学在学中は学業を優先させていただきながらにはなりますが、少しずつ携わっていくことになると思います。周りの方々からご助言を頂きながら、一つひとつに丁寧に取り組み、成年皇族としての自覚を持ち、皇室の一員としての役割をしっかりと果たしていきたいと思っております」

 記者会見で今後の公的な活動への取り組みなどについて、こう話していた悠仁さまの園遊会デビューはいつになるのか。早ければ、今年の秋に実現するのだろうか。そのとき、佳子さまはどのように弟にアドバイスするのだろう。佳子さま、愛子さま、そして悠仁さま、若い世代3人の活躍を、多くの国民は楽しみにしている。

<文/江森敬治>

えもり・けいじ 1956年生まれ。1980年、毎日新聞社に入社。社会部宮内庁担当記者、編集委員などを経て退社後、現在はジャーナリスト。著書に2025年4月刊行の『悠仁さま』(講談社)や『秋篠宮』(小学館)など

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