限定公開( 85 )
1985年(昭60)4月にフジテレビ系で放送された「スケバン刑事」をはじめとしたシリーズ3作に、それぞれ主演した斉藤由貴(58)南野陽子(57)浅香唯(55)が7日、東京・丸の内TOEIで行われた「スケバン刑事フェスティバル in さよなら 丸の内TOEI」に登壇した。主人公・麻宮サキの3代を演じた歴代の主演3人が「スケバン刑事」関連イベントにそろったのは、ドラマ放送開始から40年で初めて。出演が決まった当時の思いを聞かれ、斉藤と南野は、口をそろえて「嫌だった」と明かした。
3人は、デビューも同期で、今年、デビュー40年を迎えた。高校生ながらも秘密指令を受けて悪を裁く特命刑事・麻宮サキを演じた斉藤は「このような、すてきな機会に呼んでいただいた。このおふたりとステージに立つ日が、40年後にくるとは夢にも思わなかった」と感激。
南野は、鉄仮面をかぶせられて育ち地元・土佐でスケバン鉄仮面と呼ばれて恐れられ、暗闇機関に“2代目スケバン刑事・麻宮サキ”にスカウトされた五代陽子を演じた。「40年の時を経て会えてワクワクしています。3人とも、同じ役ですけれども、時期が違うので会うことができなかった。40年たって、こんなすてきな日が来るとは」と語った。
浅香は父・小太郎を殺した影の忍びたちの捜査に乗り出した、風間三姉妹の三女の三代目スケバン刑事・唯を演じた。「初代、2代目に続く…すごいプレッシャーでした。3人、並ばせていただき、感慨深い。楽しみにしていた方は、たくさんいたと思いますけど、私も1人」と目を輝かせた。
出演が決まった当時の思いを聞かれると、斉藤は「たまたま初代…その当時、1つの大きなブームになりましたけど、フタを開けたらどうなるか分からない特殊な作品。結果を知らず、私たち3人は飛び込んだわけですよね。漫画原作の物語に、よいしょ、と飛び込み全力でやっていたと思う。出ていた時期は違いますけど、ともに戦っていた感じはあったと思う」と振り返った。その上で「私は…嫌でした」と断言。「だって、合わないと思ったから。原作と、あまりにもビジュアルがかけ離れ、売り出さなければというので(作品に主演として)入ったのが、素人目にも分かった。やるよとなった時、モヤモヤした。最初は、困りましたね」と当時の心中を明かした。
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南野も「私は最初、困りました」と続いた「『陽子、学園ものが決まったよ』とマネジャー言われ、ウワーッと思ったら、斉藤由貴ちゃんがヒットしていてプレッシャーがあった。運動が苦手で、アクションがあるのか? よく分からない言葉と、仮面をかぶって…撮影が始まってからは別の困ったになりましたけど、想像できない。最初は…ね」と振り返った。
一方、浅香は「私は全く違いまして。大ヒット作品のオーディションから、まず入った」と、自主的に作品に入っていったと振り返った。「南野陽子さんが使っていらっしゃった台本を読むのが第1歩。土佐弁で書いていらっしゃって、意味が分からなかった。どうしても宮崎弁が出てしまう。逆にそれが、無邪気だなと面白かったみたいで。合格したいと思っていったんですが、オーディションは、なかなか手応えがなく、ケタケタ笑って終わった。手応えはなかった」と笑った。
3人は舞台あいさつの最後に、ヨーヨーを手にした。斉藤は「てめぇら、許せねぇ!」、南野は「おまんら、許さんぜよ!」、浅香は「きさんら、許さんかいね!」と、当時のセリフを口にしながら、ポーズを決め、客席を沸かせた。席上で、シリーズ3作のHDリマスター版ブルーレイボックスのリリース決定が発表された。
「スケバン刑事フェスティバル in さよなら 丸の内TOEI」は東京・丸の内TOEIで、同館の閉館プロジェクト「さよなら丸の内TOEI」の一環として行われた。丸の内TOEIは、1960年(昭35)9月20日に、東映本社の東映会館の落成とともに丸の内東映と洋画封切館・丸の内東映パラスとして開館。04年10月には現行の丸の内TOEIに名称統一し2スクリーンを構える。そして24年5月15日、東映会館の老朽化を理由に、今夏をめどに再開発することを発表。今年1月16日に同所で開催した東映ラインナップ発表会で、正式な閉館日(最終営業日)を7月27日とし、最後の直営館として約65年の歴史に幕を下ろすことを発表した。そして9日から「さよなら 丸の内TOEI」プロジェクト上映がスタート。閉館日の7月27日までの80日間にわたって、数々の傑作特集上映に加え、劇場を活用した各種イベントも実施する。
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