2025年ル・マン24時間テストデーのセッション2で最速タイムを記録した8号車トヨタGR010ハイブリッド 6月8日、フランスのサルト・サーキットでWEC世界耐久選手権第4戦ル・マン24時間レースを前にしたテストデーのセッション2が行われ、トヨタGAZOO Racingの8号車GR010ハイブリッド(セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮)が最速タイムを残した。
午前中に3時間行われたセッション1に続き、このセッション2は15時30分からの3時間。気温21度、路面温度は34度まで上昇するなか、朝よりも雲が多い状況下でセッションは開始された。午前中にクラッシュのあったLMP2クラスのインターユーロポル・コンペティション34号車オレカ07・ギブソンも、カラーリングされていないエンジンカウルをまとってコースインしている。
このセッションでは、開始直後からアタックシミュレーションと見られる走行に臨む陣営が多くあり、8号車トヨタのハートレーが3分26秒246で暫定トップへと踊り出る。これに51号車フェラーリ499P(フェラーリAFコルセ)のジェームス・カラド、12号車キャデラックVシリーズ.R(キャデラック・ハーツ・チーム・JOTA)のアレックス・リンが続いた。
その後、デブリの影響でフルコースイエローが導入。これが解除されると、20号車BMW Mハイブリッド V8(BMW Mチーム WRT)のロビン・フラインス、83号車フェラーリ499P(AFコルセ)のフィル・ハンソン、5号車ポルシェ963(ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ)のマシュー・ジャミネらが次々とタイムを縮め、トップ6圏内へと浮上してくる。
このあと、セッションは折り返しを前にした17時前に赤旗により中断。20号車BMWがコースオフした模様で、20分ほどでセッションは再開を迎えた。
サーキットを太陽が照らし、セッションが最後の1時間に入ると、ニック・タンディの4号車、ケビン・エストーレの6号車と、ポルシェ勢がタイムを更新し、それぞれ5番手、4番手へとポジションアップ。さらに36号車アルピーヌA424(アルピーヌ・エンデュランス・チーム)のミック・シューマッハーも3番手に進出する。
残り30分を前に、セッションは2度目の赤旗中断に。11号車オレカ07(プロトン・コンペティション)がインディアナポリスでアクシデントに見舞われたようだ。
セッション再開は残り15分。ここで7号車トヨタはニック・デ・フリースがベストタイムを縮めるも、ポジションは14番手どまり。
そして残り6分を切ったところで、このセッション3度目の赤旗が提示された。63号車メルセデスAMG GT3(アイアン・リンクス)がポルシェカーブの出口でバリアにヒットしたようだ。この赤旗をもってセッションは終了となった。
序盤のハートレーのアタックで残したタイムにより、8号車トヨタがテストデー最速。2番手には0.531秒差で51号車フェラーリが続いた。3番手はシューマッハーが終盤にタイムアップを果たした36号車アルピーヌ、6号車がポルシェ勢最上位の4番手となり、83号車フェラーリ、4号車ポルシェと続くトップ6に。7号車トヨタは14番手で午後のセッションを終えている。
LMP2クラスでは、ユナイテッド・オートスポーツの22号車(レンガー・バン・デル・ザンデ/ピエトロ・フィッティパルディ/デイビッド・ハイネマイヤー・ハンソン)が最速。TDSレーシングの29号車AO・バイ・TFの199号車が続いた。
LMGT3クラスでは、序盤にケッセル・レーシング57号車フェラーリ296 GT3がクラストップに立ち、その直後に午前のセッションでもクラス首位だったアコーディスASPチームの87号車レクサスRC F GT3(ラズバン・ウンブラレスク/ホセ-マリア・ロペス/クレメンス・シュミット)が最速タイムを記録。これがセッション終了まで残り、87号車レクサスがテストデーの2セッションをスイープする結果となった。
クラス2番手は終盤にタイムアップを果たした21号車フェラーリ296 GT3(ビスタAFコルセ)。3番手に木村武史の所属する57号車フェラーリが入った。佐藤万璃音の95号車マクラーレン720S GT3 Evoは13番手となっている。
これで、テストデーのプログラムはすべて終了。レースウイークの走行は6月11日水曜日14時(日本時間20時)、フリープラクティス1のセッションで始まる予定だ。
[オートスポーツweb 2025年06月09日]