2025年WEC第5戦サンパウロでLMGT3クラスを制したラズバン・ウンブラレスク/クレメンス・シュミット/ホセ・マリア・ロペス(アコーディスASPチーム) アコーディスASPチームを率いるジェローム・ポリカン代表は、WEC世界耐久選手権第5戦サンパウロ6時間レースでのチームの躍進の鍵は、このラウンドから新たにLMGT3クラスに導入されたグッドイヤー・イーグル・ハードコンパウンドにあると述べた。
■2スティント目でも落ちなかったペース
7月13日にブラジルのインテルラゴスで行われた一戦で、87号車レクサスRC F GT3を駆るラズバン・ウンブラレスク/クレメンス・シュミット/ホセ・マリア・ロペスの3人は、最初の1時間でトップに立つ圧倒的なパフォーマンスを見せ、レクサスにWEC初優勝をもたらした。
レース後、チーム代表のポリカンは、チームにとって厳しいデビューシーズンを経ての勝利の重要性を称賛し、LMGT3に新たに導入されたハードコンパウンドタイヤが勝利の鍵となったと指摘している。
「(デビューイヤーの)昨年は、まったくと言っていいほど勝てず、非常に悔しい状況だった」とポリカンは胸中を明かした。
「我々はGT3の世界ではほぼすべての選手権で優勝しており、WECに参戦するにあたり、非常に高い目標を掲げていた」
「後方集団に終わったことにはショックを受けたが、マシンを速くすることに集中した」
「この冬のトヨタ・ガズー・レーシングのサポートのおかげで、1周でのパフォーマンスは確保できたが、シーズン序盤からタイヤのデグラデーションに苦しんでいた」
「グッドイヤーがより硬いコンパウンドを供給してくれたことに感謝している。これが今日のキーになったと思う」
「2スティント目では、通常であればペースとポジションが落ちてしまうのだが、今日はトップの座を維持することができた」
ポリカンはその後、ドライバーラインアップのひとりひとりに賛辞を送り、このフランスチームの「素晴らしい」功績を称えた。
「ドライバーたちに感謝したい」とポリカン。
「ル・マンとWTCCで優勝した世界チャンピオン(ロペス)をラインアップに加えることができた。彼は素晴らしいドライバーだ。苦難の末に彼にギフトを贈ることができた」
「もちろん、彼のチームメイトであるクレメンスとは、スパの直前に電話で初めて話をした。ドライバーのひとりが体調を崩したからだ。FIAのリストをチェックして、最高のシルバードライバーを見つけなきゃって言って、彼の名前を見つけて電話したら……いま、表彰台の頂点に立っているんだ」
「そしてもちろん、ペトル(ウンブラレスク)。彼とは長い付き合いで、GTワールドチャレンジで一緒にレースをしていたんだけど、彼はほ3年間、ほとんどレースをしていなかったんだ」
「彼はブロンズドライバーだから、復帰を後押しした。『この選手権を走らなきゃ』って。今日の彼の偉業は素晴らしい。みんなに感謝する」
■ブラジル戦は「昨年最悪のレース」
元トヨタハイパーカードライバーのロペスは、昨年のレクサスプログラムでの「長い道のり」を振り返り、これまでチャンスを逃してきた中で、今回勝利をつかむことができたことに安堵の表情を浮かべた。
「長い道のりだった」とロペスは語った。
「僕らはこのチームで、ゼロからスタートした。本当に一生懸命頑張ってきたんだ」
「このレースは昨年、僕らにとって最悪のレースだった。そこから多くのことを学んだと思う。僕らはどこで仕事をすべきか分かっていたし、もちろん彼らは今年素晴らしい仕事をしてくれた。マシンのパフォーマンスは本当に良かった」
「少なくとも表彰台を獲得できたレースがいくつかあったけど、どういうわけか、いくつかのミスと不運で表彰台を逃してきていた」
「だから、ここで勝利を収めることができて、正直言ってとても感慨深い。一生懸命頑張ってきたからだ。ジェローム、そしてアコーディスASPチームの全員は、最初から素晴らしい仕事をしてくれた」
「大きな進歩を遂げ、多くのことを学び、そして彼らの強さを示すことができた。チームは本当に一生懸命働いて、大きな進歩を遂げてくれた」
[オートスポーツweb 2025年07月14日]