社員食堂でランチを食べる姿に好感の声。追浜工場生産終了の決断を下したエスピノーサCEOは日産の救世主となるか

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2025年07月23日 19:40  AUTOSPORT web

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追浜工場の生産終了について記者会見を行った日産自動車のイヴァン・エスピノーサCEO
 既報のとおり、7月15日に日産自動車は、横須賀市の『追浜工場』での車両生産を2027年度末に終了、また日産車体湘南工場へ生産委託している車種生産の委託も終了すると発表した。

 追浜工場での生産車種は、福岡県苅田町にある日産自動車九州に車両生産を移管する。日産車体湘南工場への委託車種については明確にはされていないが、後継車種は生産をすると公表した。

 同日に行われた記者会見では、ニッサンのイヴァン・エスピノーサCEOが終始ほぼひとりで通訳を介し、スピーチ。その後、記者たちの質問にひとつひとつ簡潔だが丁寧に回答していたのが印象的だった。

 その会見で、プレスリリース発表以外で明確になったのは、これまで生産してきたノート、ノートオーラはもちろん九州移管まで生産を続けるが、新型キックスも追浜で生産を開始し、その後、九州へ移管するとのこと。すでにキックスは追浜で生産することが決まっており、生産・販売計画を止めないため、生産開始をそのまま進めることになったそうだ。

 ニッサンは2025年6月に現在世界に17ある工場の内、7工場での生産を終え、10工場で稼働していくと発表していたが、どの工場での生産を終了するのかは明らかにされていなかった。

 エスピノーサCEOは、他の工場より早い時点で追浜工場の生産終了を発表することについて、「2400名いる生産部門の従業員についての責任としてなるべく早く伝えることが必要だった。とても痛みを伴う苦渋の判断だったし、従業員には深くお詫び申し上げたい、全力を上げて当社としてはサポートしていく」と述べた。

 こうしたニッサンの大きな判断を、日本人でない社長が発表するとなると、どうしても1999年に『日産リバイバルプラン』を掲げ、まさに大きな痛みを伴った改革を実行したカルロス・ゴーン氏を思い浮かべてしまう。

 後味の悪い幕切れだったため、外部からの印象は良くないゴーン氏だが、内情を知る人からはやむを得なかった、立て直してくれた、という意見も多い。

 同じ“外国人社長”と見られがちだが、エスピノーサ氏がCEO(代表執行役社長兼最高経営責任者)に就任以来、ニッサンは変わったのだろうか?

 関係者によると「その他の経営陣も、今までとはガラリと雰囲気が変わったようです。いろいろなことに速く、積極的に動いて、きちんと判断しようとしてる印象です。さまざまな環境変化にどんどんと対応しているように思えます。おかげで変化も激しいですが……」と、現在の変化を良い印象に感じている人もいるようだ。

 また、別の声では、エスピノーサCEOの印象として「たまに社員食堂でランチを食べているらしいですが、これまでの経営陣でそんな話は聞いたことがなかったです。そんな彼には好感が持てますし、ニッサンを再建してくれると期待しています」と語る人も。

「彼は嫌な役をしっかりこなしてくれている」との声もあり、エスピノーサCEOは今後のニッサン再建にしっかりと取り組んでくれそうだ。

 なによりも彼は、2001年にモンテレイ工科大学の機械工学部を卒業し、2003年にはメキシコ日産自動車会社に入社、商品企画を担当してからの、言わば日産プロパーの社長だ。ランチの件でも、これまでの経歴でもゴーン氏とは違う。

 会見の最後に「これ以上、国内での生産再編はない」と言い切ったエスピノーサCEO。彼にはニッサンそのものや、従業員とその家族、ファンも含むその他のすべての関係者に、愛を持って再構築を進めてくれるものと我々も期待したい。

[オートスポーツweb 2025年07月23日]

このニュースに関するつぶやき

  • 日産自動車がクソゴミなのは、商品である自動車作りの現場の設計や製造の技術者から首切りやって、本社事務方は贅沢三昧なこと。逆だろ?まともな会社は。
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