日米の関税交渉に関し、取材に応じる小泉進次郎農林水産相=23日午前、東京都千代田区 小泉進次郎農林水産相は23日、日米の関税交渉に関し、「コメの輸入の総量が増えない形で合意をみた」と述べ、「最善の交渉結果」と評価した。無関税で輸入するミニマムアクセス(最低輸入量、MA)米の輸入枠は現行の年約77万トン分を維持し、このうち米国からの輸入割合を増やす可能性があると説明。「新たな市場開放だと誤解をしている方がいるが、全く当たらない」と強調した。
小泉氏は「農業界では安堵(あんど)が広がるのではないか」と語った。MA米のうち、主に主食用に販売されるコメは、輸入業者と国内の実需者がペアで入札に参加する売買同時契約(SBS)で輸入し、輸入量は最大10万トンに制限している。安価な外国産米の流入が国産米に影響を与えないよう、残りは通常、加工や飼料などの非主食用米に充てている。
小泉氏は、最大10万トン分のSBS枠を拡大するかどうかについては、「詳細は確認する」と述べるにとどめた。業界関係者は「SBS枠の拡大なら厄介だ」と警戒感を示す。
2024年度は、米国からの輸入が最も多く、計77万トンのうち45%に当たる34.6万トンを輸入した。小泉氏は、輸入を増やす米国産米は、日本で多く食べられている「短粒種」に比較的近い「中粒種」となる可能性を示唆した。