厚生労働省=東京都千代田区 高齢化と生産年齢人口の減少が進む2040年を見据え、がん医療の提供体制について議論してきた厚生労働省の専門家検討会は25日、手術や放射線療法を集約化する方向性を示した提言を大筋で取りまとめた。厚労省は近く、都道府県に通知し、地域ごとに検討が始まる。
取りまとめ案によると、40年のがん患者数は現在から3%増の105.5万人と推計される一方、現状のままでは消化器外科医は39%減少する見通しで、「現在の手術療法すら維持できなくなる恐れがある」と強調した。
手術の需要は5%減少するものの、外科医不足が加速。放射線療法は24%増を見込むが、治療装置は高額で、患者数に地域差があるとして、いずれの療法も「集約化の検討が必要」とした。
集約化が望ましい医療として、症例数や医師数が少ない領域、高度な技術が必要なケースを提示。小児がんや希少がんも挙げた。