閣議に臨む石破茂首相(中央)ら=5日午前、首相官邸 政府は5日、殺人や性犯罪をはじめとする重大事件の被害者や遺族を弁護士が一貫してサポートする新たな制度を盛り込んだ改正総合法律支援法の施行日を、来年1月13日とする政令を閣議決定した。被害直後から包括的に支えることで精神的・経済的負担を軽減する狙いがある。
新制度では日本司法支援センター(法テラス)が窓口となり、契約弁護士が被害届や告訴状の作成・提出、示談交渉、損害賠償請求訴訟などに当たる。利用は被害により生活の維持が困難となる恐れのある人に限り、原則として無償。資力要件は「流動資産300万円以下」とする方向で調整している。
改正法は2024年4月に成立した。殺人や傷害致死、危険運転致死など「故意の犯罪行為により人を死亡させた罪」と、不同意わいせつ、不同意性交、不同意性交致傷といった性犯罪を対象として例示した。