自民党総裁選候補者演説会に臨む小泉進次郎農林水産相=26日、名古屋市北区 「父がやったことはびた一文変えさせない。そういう姿勢で一致団結なんかできない」。27日、東京都内で郵便局長ら10人と車座対話に臨んだ。父が首相時代に郵政民営化を進めた因縁から「最初緊張感があった」が、次第に打ち解けたという。
昨年の自民党総裁選では決選投票にも残れなかった。以来、米価高騰の渦中に農林水産相を引き受けるなど、党のために汗をかいてきたとの自負がある。総裁選再挑戦を麻生太郎最高顧問に報告すると、「俺だったらお前の年で火中の栗は拾わねえ」と笑われた。
党再生へ重視するのは結束だ。今回は解雇規制緩和などの持論を封印。とがった改革を掲げて勝利を遠ざけた昨年の轍(てつ)は踏むまいとの計算ものぞくが、野党時代に党再建に取り組んだ谷垣禎一元総裁の姿を振り返り、「谷垣氏は主張を抑えて党内融和を優先した」と自らを重ねる。
発信力が鈍った面は否めない。最近は陣営内の投稿依頼問題が発覚し、釈明に追われる日々だ。我慢の総裁選。その先に史上最年少の総裁の座を射止められるか。