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国から公設秘書の給与など約830万円をだまし取ったとして、東京地検特捜部は30日、石井章元参院議員(68)=辞職、日本維新の会を除名=と側近の大川香留(かある)・事務統括(60)を詐欺罪で在宅起訴した。特捜部は元議員が事件を主導し、大川被告が「金庫番」として詐取金を管理し、事務所経費などに充てていたとみている。
関係者によると、元議員は周囲に詐取を否定。特捜部の任意の事情聴取にも、詐欺容疑を認めなかった模様だ。特捜部は関係者の供述や物証から、逮捕をしなくても詐欺罪の立証が可能と判断したとみられる。
起訴状によると、石井元議員と大川被告は共謀。2021年4月に元議員の親族の男性を公設第2秘書として参院事務局に届け出たが、実際は名義を借りただけで、国から22年10月までに親族名義の口座に振り込まれた給与と退職金計約830万円をだまし取ったとされる。
関係者によると、親族は元議員が理事長を務める社会福祉法人の従業員で、元議員は自ら親族に名義貸しを依頼した疑いがある。親族は勤務実態がなかったことを特捜部に認めているとされ、特捜部は不起訴(起訴猶予)とした。他にも複数人の勤務実態を調べたが、秘書給与の詐取は裏付けられなかった。
親族名義の口座の通帳やキャッシュカードは、地元事務所(茨城県取手市)に勤務する大川被告が管理し、元議員に口座状況を報告していたとみられる。
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石井元議員は16年参院選で日本維新の会の前身のおおさか維新の会から比例で出馬して当選し、22年参院選で再選した。8月に特捜部から家宅捜索を受け、議員辞職した。【北村秀徳、岩本桜、五十嵐隆浩、佐藤緑平】
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