《重低音うるさい…寝れん…》
《もう寝たい、いい加減にしてくれ、どこに通報?苦情?入れたらいいんや、》
《なんかずっと重低音響いててめっちゃうるさい。 気になって寝れない。 近所の人が爆音で音楽かけてるんかと思ってたけど、Yahoo天気の投稿見たら広範囲で聞こえてるみたい。マジで迷惑。原因なんなん。明日も仕事やねんけど!!!!》
10月4日深夜、多くの住民が眠りにつくなか、京都市内を襲ったのは出所不明の騒音。Xや天気予報アプリ「Yahoo!天気」の「みんなの投稿」では、深夜1時から2時台にかけて冒頭のような声が相次いでいた。
なかには警察に通報した人もいたようで、とりわけ指摘が多かったのは楽器のベースが鳴り響くような重低音だったという。そのため、同日深夜に京都府内で開催されていた複数の野外イベントが“出元”として問題視されていた。
まずひとつ目は、4日と5日の日程で京丹後森林公園スイス村「BEATCAMP」で開催された音楽イベント「GAGAFEST24→25」。4日のタイムテーブルを見ると、深夜1時ごろまでアーティストによる演奏が続いた。そのため、「GAGAFEST」による騒音が原因ではないかと疑う投稿も散見されていた。
しかし「GAGAFEST24→25」の会場は、京都市内まで130キロメートル以上も離れた距離に位置する。主催者側もXなどの投稿で騒音被害を把握したようで、警察による現地確認を実施したという。イベントのX公式アカウントは5日午前に、《騒音に関するご報告》として次のコメントを発表している。
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《X(旧Twitter)上で拡散されている騒音に関するご指摘について、本日、警察の方がGAGAFEST会場にお越しになり、現地の確認を行ってくださいました。会場は京丹後市の山間部に位置しており、京都市内まで音が届くような距離・地形条件ではないことから、「会場から京都市内へ騒音が直接届くことは考えにくい」という見解をいただいております。ご心配をおかけしている皆さまには、ご理解のほど何卒よろしくお願いいたします。今後も地域への配慮を最優先に、運営を行ってまいります》
「GAGAFEST」サイドは“騒音の原因ではない”と否定したいっぽう、重低音の発生源は長岡京市にあったようだ。
長岡京市浄土谷芦倉にあるキャンプ場「HAPPY LAMP」では、4日から5日にかけてイベント「HAPPY LAND×HAPPY LAMP 2nd Anniversary」を開催。タイムテーブルを見ると、4日の午後2時から翌日の午後3時までアーティストやパフォーマーが連続で出演。騒音被害の苦情が相次いだ深夜1時〜3時ごろは、ヒップホップ系アーティストのパフォーマンスが行われていた。
相次ぐ騒音被害を受けて6日昼過ぎ、キャンプ場はインスタグラムを更新し、次のように謝罪した。
《この度、10/4〜5日に長岡京市ハッピーランプキャンプ場にて開催いたしました音楽を使った野外イベント「HAPPYLAND」におきまして、京都市内、その他の区域へ重低音が響き、周辺住民の皆様より多数の騒音に関する苦情を頂戴いたしました。皆様には多大なるご迷惑をおかけしましたことを心より深くお詫び申し上げます》
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イベント準備期間中にはシミュレーションを重ね、開催前と開催当日も騒音計で音量を測定したという。
《イベント準備期間中、事前にシミュレーションを重ねており、dB検査機で音量の測定チェックをしております。イベント当日もdB検査機で音量の測定をいたしました》と報告し、具体的な測定値について《(1)キャンプ場入り口(16時80dB、21時81dB) (2)1キロ下へ降りた公道(16時65dB、21時65dB)》と記載。また、《警察の方が来られた時にもキャンプ場入り口にてdB検査機で70?85dBであったことを確認していただきました》と伝えていた。
その上で、《しかしながら当日の天候、風向きにより想定以上に広範囲に音が拡散し、京都市内にお住まいの皆様にまで騒音としてご迷惑をおかけする結果となってしまいましたこと重ねてお詫び申し上げます。地域の皆様のご理解とご協力のもとで成り立つイベントであるにも関わらず、結果としてご迷惑をおかけしましたことを深く反省しております》と改めて謝罪。
今後については、《音響設備の配置や音量調整の徹底、終了時間の厳守など、再発防止策を講じた上で、地域と共生できる運営を目指してまいります》と記している。
直後にはイベントのインスタグラムでも、《騒音に関するお詫び》として同じ内容の謝罪文が掲載された。
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なお、本誌は6日昼頃に京都市役所の北部環境共生センター、南部環境共生センター、環境保全創造課を取材。しかし週末のイベントだったこともあり、どこの部署も騒音トラブルは把握していないとのこと。また、現時点では市民からの苦情などは、市役所に直接寄せられていないという(6日12時現在)。
「コロナ禍から回復した日本の音楽市場において、野外イベントの開催数や観客動員数は年々上昇傾向にあります。しかし7月には、神奈川県横浜市の山下ふ頭特設会場で開催された人気バンド『Mrs. GREEN APPLE』の野外ライブに騒音苦情が殺到するトラブルが起きたばかり。当日の風向きなど気象条件が想定を超えていたことが一因だと見られていますが、今回の長岡京市でのイベントでも同じようなトラブルが発生してしまいました。今後は会場周辺だけでなく、数十キロ先まで音が響き渡ってしまう可能性も考慮して開催日時や時間などの見直しが求められるかもしれません」(イベント関係者)
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