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<フィギュアスケート:グランプリ(GP)シリーズ第4戦NHK杯>◇第2日◇8日◇大阪・東和薬品RACTABドーム◇女子フリー
今季限りでの現役引退を表明している坂本花織(25=シスメックス)が、今季世界最高得点で2年連続4度目の優勝を飾った。
フリー150・13点の合計227・18点で、ファイナルを含めてGP通算9勝目。新星の中井亜美(17=TOKIOインカラミ)が10月のシリーズ第1戦フランス大会で出した227・08点を塗り替えた。そう伝え聞くと「え? え?」と驚き「そうなんですか…あらまぁ」と満面の笑みを浮かべた。
現役最終年の坂本に「ラスト」という感慨はない。最後のNHK杯も「ファイナルに進むための大事な試合。最後と考えている暇もない」と集中。冒頭から全7本のジャンプを降り、ミスなく演技を通した。来年2月のミラノ・コルティナ五輪代表3枠の選考に大きく関わるGPファイナル(12月4〜6日、名古屋)の進出が決定。緊張から解放されて「ホッとしている」とほほ笑んだ。
坂本はネットニュースの1文目を読むたびに「今季限りでの現役引退を表明した坂本」と書き出されることが気になるという。「そんな感じ、全然しないなぁ」。6月に自ら公表したことを踏まえ「確かに自分で言ったけど」と笑いつつ「目の前の試合を全力でやるだけ。それが最優先事項にあるから感慨深さはない」と言い切る。
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この日も朝から全力だった。本番会場での35分間の公式練習。フリー曲「愛の讃歌」をかけた調整では、2本の3回転ジャンプが単発の1回転となった。曲が終わると両手を膝について顔をしかめたが「ハマらなかったのは気持ちの問題」と奮い立つ。休む間もなく再びジャンプの確認に移り、1分間で3本の連続ジャンプを着氷させた。それから9時間後の本番でも「練習みたいな感じがした」と演技に没入。ミスなく技を重ね、2位に27・18点差の大差をつけた。
今後はGPファイナルを経て、五輪最終選考会となる12月の全日本選手権(19〜21日、東京)へ進む。
「気付いたらクリスマスが来て、五輪最終選考が来て。あっという間」
この日の得点は銅メダルだった22年北京五輪での自己ベストと9点近く差があり「まだまだ伸びしろがある。(出来は)60%かな。60%じゃ、しみじみできない」と笑い飛ばした。心の底から感慨があふれる瞬間は、さらに全力を積み重ねた先にある。【藤塚大輔】
◆男女シングルのミラノ五輪への道 出場枠は各3。全日本選手権の優勝者が最優先で代表入り。2人目は全日本の2、3位、GPファイナルの日本勢上位2人、全日本終了時で国際スケート連盟(ISU)公認のシーズン最高得点上位3人から選出。3人目は、全日本終了時の世界ランキングや日本連盟独自の国際大会ポイントの上位3人などを選考対象に加える。
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