高止まりで“コメ離れ”の兆しも? 銘柄米が3週連続で過去最高値 「増産」が一転「減産」方針で現場からは不安の声【サンデーモーニング】

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2025年11月09日 14:39  TBS NEWS DIG

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石破政権から高市政権に変わり、増産の方針が一転した「コメ政策」。そして新米が出回れば値下がりか?とも思われましたが、店頭価格は高止まり。そんな中、卸売の現場では異変も起きていました。

【写真で見る】「子どもが食べ盛りなので…」“コメ離れ”明かす消費者

価格高騰で“コメ離れ”も? 3週連続で過去最高値を更新

4日、消費者団体を訪ねた鈴木農水大臣が案内されたのは、1932年に起きた「米よこせ運動」の像です。

鈴木憲和 農水大臣
「『米よこせ母子像』はどこに向かって手をあげてる?」

日本生協連 新井ちとせ 代表理事会長
「農林省(現農水省)に」

その後、コメの価格高騰について、意見交換したといいます。

7日に発表された銘柄米の平均価格は、3週連続で過去最高値を更新。新米が出回っても価格が下がらないのです。

ーー高値が続いていますね?

セルシオジャパン 久保田浩二さん
「どうしても仕入れ値も高くなっているので、販売価格、税込みは(5kg)5000円ぐらいが平均になっています」

首都圏では銘柄米は5kg5000円前後。今、売れているのが…

ーー棚の半分は1kgだったり2kgのコメも並んでいるんですね?
「5kgのコメを購入するお客さんの割合も落ち込んできてしまっている」

小分けすることで価格を抑えているのです。

セルシオジャパン 久保田浩二さん
「少量タイプのお米の売り上げの方が、断然伸びてます」

コメ離れが進みつつある様子もみられました。

買い物客
「毎朝、何曜日をパンの日にしたり、最近夜パスタにちょっと変えたりとか」
「子どもたち食べ盛りなんで、うどんとか蕎麦とかパスタとかは増えましたね」

店頭価格の高騰が続く一方、卸売の現場では異変が起きていました。

“新米の時期”でも在庫を減らす卸売業者

創業300年を超える卸売業者を訪ねると、新米が入ってくる時期にもかかわらず、あえて在庫を減らしているといいます。その理由は…

金沢米穀販売 金澤富夫 代表
「あまり高いうちに買うと、ただでさえ客に値上がり分を転嫁できないのに、高いコメをいつまでも持ってるとタイムリーに値下げもできないので」

実は今、高すぎる新米の売れ行きが落ち、最近になって仕入れ値が5%ほど下がり始めているのです。

集荷業者からは、新米を買ってほしいとの依頼が相次いでいるといいます。

金沢米穀販売 金澤富夫 代表
「相当電話がかかってきますよ。『いくらなら買ってもらえますか?』とか。(新米は)数量的には本当に潤沢。供給過剰になる可能性がある」

新大臣「価格に関与すべきでない」 一方、増産から一転「減産」へ

コメ余りによって価格が下落する兆候も見える中、新たに就任した鈴木農水大臣。コメ価格について問われると…

鈴木憲和 農水大臣(10月22日・大臣就任会見)
「農林水産省が価格にコミット(関与)するということは、政府という立場もあって、すべきでないと考えています」

政府がコメ価格には関与しない姿勢を強調する一方で…

鈴木憲和 農水大臣(10月31日)
「今すぐに大幅に増産に踏み切れば、需給の安定というバランスを崩す」

需給のバランスが崩れれば、一気にコメの価格が下がる可能性もあり、石破政権が掲げた増産方針を一転させて、2026年は減産する方針を表明したのです。

卸の現場は、減産への不安を口にします。

金沢米穀販売 金澤富夫 代表
「需要に応じた減産をするって言うでしょ。 今までその需要を(政府は)見誤ってたわけですよね。増産に舵を切っていかないと、毎年の需給バランスを見ながらの生産体制だと、またいつ米騒動が来るかわからない」

「どうしたらいいのか」コメ農家からは不安の声も

コメ作りの現場は、現状をどう見ているのでしょうか。コメの増産や生産コストの削減のため、大規模化を進めてきた光橋さん。

光国農園 光橋国郎 代表
「大きい機械で仕事をするので、(農地は)まとまっていた方がいい。コストが安くなる」

今回、政府が増産方針を転換したことについては、コメ余りによる価格の低迷を防ぐための一時的措置としては賛成だという光橋さん。

一方で、消費者に受け入れられる価格でコメを作り続けられるのか、不安があるといいます。

光国農園 光橋国郎 代表
「僕たちも給料を払わなければいけない。そのためにどうしたらいいのか、今ちょうどいい塩梅の米価が見えていない」

米価を下げるためには、生産コストを下げる必要がありますが…

光国農園 光橋国郎 代表
「コストアップで困っている。僕たちはお金を使うんです、農家というのは。効率化できるようなところを、田んぼをまとめていったりとか、もっと(まとまって)あれば管理しやすい。

道路と排水路で囲まれた中で、大きい田んぼがあればいい。大きなインフラみたいなことは、僕たちにはどうにもできない。田んぼというのは、個人だけで維持できるものじゃないものが多い」

鈴木大臣も「中長期的には増産トレンドを作りたい」と述べていますが、そのためには生産調整だけではなく、持続可能なコメ作りの戦略が求められます。

このニュースに関するつぶやき

  • 農家は高齢化や燃料肥料高騰でも頑張ってるが、価格を吊り上げてる業者のせいで、国内のコメ離れが加速した。業者は、クソでしかない
    • イイネ!3
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