クマ駆除任務のため、秋田県警本部を出発する県警車両=13日午前、秋田市 深刻なクマ被害に対応するため、警察の機動隊員らによるライフル銃を使ったクマ駆除任務が13日、始まった。任務を行う秋田、岩手両県警では対策チームの出動式が開かれた。
秋田県警は午前10時から県警本部で出動式を実施。小林稔本部長は「クマ駆除対応に当たる最前線として、県民の安全安心は自分たちが守り抜くという強い信念を持ち、市民生活の安全確保を最優先とした活動をお願いしたい」と訓示した。その後、機動隊員ら10人が県警車両3台に乗り込んで出発した。
岩手県警も滝沢市で出動式を行い、岡田憲一生活安全企画課次長は「クマに対する不安の払拭や県民の安全の確保に期待したい」と語った。
クマの出没が相次ぎ、ハンターが不足していることなどを受け、警察は保有するライフル銃をクマの駆除に使用できるよう国家公安委員会規則を改正。市街地に出没し、ハンターによる「緊急銃猟」などの対応が難しい場合、警察官職務執行法にのっとって駆除する。
指揮官と連絡調整役、射手2人の4人1組の対策チームを両県に2チームずつ編成。担当エリアを分け、警察施設を拠点に出没地域で対処する。射手は機動隊の銃器対策部隊の隊員で、2週間交代で他県からも応援を得る。

出動式に臨む岩手県警のクマ駆除対応プロジェクトチームのメンバーら=13日午前、岩手県滝沢市

クマ駆除任務に当たる対策チームの出動式で訓示する小林稔・秋田県警本部長=13日午前、秋田市