1軍を外出用、2軍を普段用で使い分け メガネをかけて半世紀。いろいろトラブルに遭ってきた。一番怖いのは破損だ。メガネなしでは仕事もままならず、出歩くにも危険が伴う。それでも長いこと「予備」は持たずに過ごしていた。しかし、さすがに近年は1軍2軍を用意。どちらかに万一のことがあっても視力を維持できるようにしている。先日2軍のメガネのレンズを不注意から割ってしまった。フレームも大きくゆがみ、再生は不可能だ。実はこの2軍、かなり緩くなってきていて、そろそろ引退かと思っていた。頃合いでもあった。1軍は健在だが、新しい1軍のメガネを迎え入れ、これまでの1軍を2軍に降格させて余生を送らせようと考えた。
その他の画像はこちら こんなこともあろうかと、幸いフレームだけは持っていた。ネットで安く調達したものだ。そして、1枚だけレンズもあった。ずいぶん前、メガネ屋の店員に左側のレンズを割られてしまい、その生き残りがまだ手元に残っていた。そして今回割ってしまったレンズは右目用。ということは……。偶然にも左右のレンズが揃ったことになる。視力変化はほとんどない。これは「ニコイチ作戦」が敢行できるのでは??? 手元にあるフレームとレンズを組み合わせれば、無事新しいメガネが1つ完成、するかもしれない。しかし普通はこんなこと、なかなかできない。フレームとレンズの形状が全然合わないからだ。
この「ん十年」ほどは、黒か茶の、いわゆるセルフレームを愛用している。形は無難なスクエアタイプ。実は完全な長方形がいいのだが、そんなフレームは見たことがない。普通のスクエアタイプで妥協している。何度かメガネを作り直しているうちに、あることに気が付いた。この間ずっと選んでいたフレームは、同じブランド、同じ型番のものだったのだ。別に意識していたわけではない。好みで選ぶと、結果的にいつも同じものを選んでいた、というわけだ。この驚愕の事実に気がついて、万一に備え、当該型番のフレームだけをネットで安く調達してあった、というわけだ。
ずっと使っているメガネのフレームは同じ型番。であれば、レンズの形状も同じはず。うまくやれば、新フレームに手持ちのレンズが入るだろう。実際やってみた。左目用のレンズは結構きつめだったが、何とか入れることに成功。入れてみれば、まさにジャストサイズだ。何の問題もなかった。問題は右目側。入れるのは簡単だった。しかしゆるい。ちょっと遊びがある。メガネを振ると「カタカタ」と音がする。うううむ。無理して使えないこともないが、これではダメだ。全く同じ型番と言えども、さすがに若干の個体差があるのだろう。どうしたものか。調べると「溝セル」なるものがあるという。その筋の玄人が使うもののようだ。今回のようにレンズが若干小さい場合、フレームとレンズのわずかな隙間に入れて、大きさを微調整するものだという。
この溝セルを購入して試そうかと思ったが、思い出した。似たようなものを持っている。スマートフォンやタブレットの液晶画面を固定する、極細で極薄の両面テープだ。修理で使う消耗品。これが使えるのではと思い、早速試してみることにした。結果は大正解。レンズの周囲に極薄両面テープをぐるりと貼り付けてフレームに入れると、完全にぴったりとはまった。微動だにせず音もしない。これで無事、新しい1軍メガネが誕生した。まさかこんなにうまくいくとは。ちなみに、セルフレームにレンズを入れる場合、きつすぎて入らない時は熱めのお湯でフレームを温めると入る場合がある。レンズを外す場合も同様だ。挑戦される方はお試しを。貧乏性からか、もったいなくて、壊したメガネのツルも予備としてネジとともに保管している。これらはまだ活躍したことはない。
もちろんメガネは「一般医療機器」でもある。新調するなら、眼科や専門店でしっかり検眼した上で購入することをお勧めする。メガネフレームの種類は数限りない。さらにレンズは、材質や厚さなどに始まり、近視や遠視、乱視などなど用途も強度もさまざま。バリエーションは無限ではないかと思えるほどだ。しかし、全く同じフレームを使い続けているのであれば、自分でレンズ交換することも可能だ、ということも分かった。(BCN・道越一郎)