
思春期の子どもが赤ちゃんと関わると、どんな気づきが生まれるのでしょうか。
東京都・江東区のかえつ有明中学校で開催された、ピジョン株式会社主催の「赤ちゃんを知る授業」に参加した中学生たちは、赤ちゃんのかわいさだけでなく、子育ての大変さや命の重さにも初めて向き合いました。また、生徒たちはその学びをもとに、“赤ちゃん目線”で社会に伝えたい想いを「赤ちゃん川柳」として制作しました。
小さいころは「ママ行かないで」と泣いていた子どもたちが、中学生ごろになると一転して“親離れ”が始まります。この変化を、授業を見守った現役保育士・てぃ先生はどう見ているのでしょうか。
今回はママスタセレクト特別インタビューとして、てぃ先生が保育士を志した理由、そして“保護者支援”を大切にする背景まで、率直に話していただきました。
距離を取り始めたら、成長している一つの証
── 小さいころは「ママ大好き」だった子どもが、中学生になると親と距離を取るようになることが多いと思います。てぃ先生はこの変化をどう見ていますか?
てぃ先生:思春期の子どもが親との距離感を変えるのは、子どもがちゃんと成長している一つの証だと思います。もっと言うと、そこまで親御さんがしっかり愛情を注いできた結果でもあるんですよね。
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だから子どもが親に『恥ずかしいから一緒に歩かないで』と言えるのは、安心して育ってきた証拠なんです。親御さんからしたら寂しいかもしれませんが、すごく良いことだと思いますよ。
子どもだけじゃなく「親を支えたい」という思い
── ところで、てぃ先生はなぜ保育士に?
てぃ先生:思春期のころから、子どもと触れ合うのは楽しかったです。ただ、そのときは“仕事にしたい”とまでは思っていませんでした。
でも進路を考えるタイミングで“自分は前から子どもが好きだったな”とふと気づいたんです。そこから自然と保育士という仕事が候補にあがってきました。
── 「子どもが好き」ということから保育士を目指されたのですね。今もその気持ちから保育士を続けているのでしょうか?
てぃ先生:「子どもがかわいい」というのが一番大きいです。ただ、今は子どものことはもちろん第一でかわいいんですけど、親御さんの支援がしたい、という気持ちがとても強いです。
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── 親を支えたいという思いは、保育士になってから芽生えたんですか?
てぃ先生:そうですね。「親が幸せだと子どもも幸せ」と、みんな口を揃えて言うんですけど、じゃあ実際に「親が幸せになれる行動」をしているのかというと、また別の話なんです。口では言うけど、行動がついてきていないことが多い。
僕は本当に、「親の幸せが子どもの幸せ」だと思っているので、子どものために直接働きかけるより、親を経由したほうが結果的に子どもが幸せになると信じています。だから親御さんを大事にしたいです。
思春期の思いやりは、優しさを受け取った経験から育つ
──思春期の子どもが優しさや思いやりを自然に発揮できるようにするには、どんな環境づくりが必要でしょうか?
てぃ先生:答えは一つだと思っています。その子自身が“思いやりを向けてもらった経験があるかどうか”。結局はここに尽きるのではないでしょうか。
優しさを受け取ったことがない子どもが、誰かに優しくするのは簡単ではありませんよね。
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(編集後記)
思春期の子どもが“優しさ”や“思いやり”を自然に発揮するには、特別な教育よりもまず「優しさを受け取った経験」が必要だと、てぃ先生は語っていました。
優しさを受け取った子は、自然と誰かに優しさを返せる。今回の話を聞いて、思春期の子どもたちに必要なのは「優しさを教えること」よりも、「優しさに触れられる環境」なのだと改めて感じました。
取材、文・長瀬由利子 編集・いけがみもえ 撮影・編集部

