谷原つかさ 立命館大准教授(本人提供) 8日投開票の衆院選候補者らは積極的にSNSを活用している。ユーチューブやX(旧ツイッター)には、政策などを短くまとめたショート動画やライブ配信、切り抜き動画などが多数拡散。投票結果を左右するとも言われ、もはやSNSを抜きにした選挙戦はあり得ない状況だ。
2013年に解禁されたインターネット選挙は24年以降、動画が主戦場だ。同年7月の東京都知事選や25年7月の参院選では、動画で注目を集めた候補者や政党が躍進。立命館大の谷原つかさ准教授(社会情報学)は「SNSと選挙の関係はよく分からないと言われた時代に比べ、影響力はぐんと上がっている」と指摘する。
背景の一つにユーチューブの普及がある。総務省が公表した25年版の情報通信白書によると、24年の10〜60代の利用率は、Xが50.3%だったのに対し、ユーチューブは88.3%に上り、全年齢層で浸透していた。
谷原氏によると、25年参院選や今衆院選では、普段は政治をテーマとしないユーチューブチャンネルにも候補者らがゲストで出演。「政治に関する動画に接してこなかった人にも届くようになった」という。「参院選では20代を中心に投票率が上昇した。動画は『政治の入り口』として十分機能している」と語る。
一方、谷原氏は、SNSが選挙に欠かせない存在になっても、駅前での街頭演説など、従来の選挙運動の重要度は下がらないとも主張する。
谷原氏が25年参院選中に配信された動画を分析したところ、再生回数が伸びた要因の6〜7割は、ニュースでの注目など、動画内容以外の要素によるものだったという。街頭演説や報道で関心を持った人がユーチューブで検索しているとみられ、従来の選挙運動は「今後も絶対に必要」と話している。