ラトニック米商務長官(左)との会談に臨む赤沢亮正経済産業相=12日、ワシントン(経産省提供) 【ワシントン時事】赤沢亮正経済産業相は12日、ワシントンでラトニック米商務長官と会談した。今回の訪米では、5500億ドル(約84兆円)の対米投融資の第1号案件で合意に至らなかった。赤沢氏は終了後の記者会見で「まだ大きな隔たりがある」と表明した。
高市早苗首相とトランプ大統領による3月の首脳会談での公表を目指し、調整を続ける。赤沢氏は「高市首相の米国訪問を実り多いものにすることを念頭に交渉している」と説明した。
赤沢氏はラトニック氏と約1時間半協議。「日米間で調整すべき点は残されている」と指摘し、「日米の相互利益にかなう案件組成に向け、緊密に取り組む」と強調した。
第1号案件にはガス火力発電や人工ダイヤ生産、港湾建設の3件が有力候補として浮上している。赤沢氏は公表時期や内容について「予断を許すものではない」と述べ、明言を避けた。
日米協議には不透明感も漂う。ラトニック氏は、少女らを性的に搾取した罪で起訴され勾留中に死亡した米富豪ジェフリー・エプスタイン氏との交流を巡り、議会からの辞任圧力にさらされている。同氏が保有するカリブ海の島を訪れ、昼食を共にしたことなどを新たに認め、関係を断っていたとする従来の説明を覆した。こうした経緯が交渉に影響を与える恐れもある。
また、トランプ氏は対米投融資を巡って韓国の合意履行が滞っていると非難、15%の関税を25%に引き上げると警告した。案件公表が先延ばしになっていることについて、赤沢氏は「互いに不信感はない。意図的に遅らせようとしている話は、日米間ではない」と語った。

12日、ワシントンで、ラトニック米商務長官との会談後に記者会見する赤沢亮正経済産業相

12日、ワシントンで、ラトニック米商務長官(左から2人目)と会談する赤沢亮正経済産業相(右から2人目)(経産省提供)