凍結卵巣移植で出産成功=がん治療で閉経の女性2人―「両立の選択肢に」・聖路加病院など
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2026年02月18日 15:01 時事通信社

聖路加国際病院(東京都中央区)などの研究チームは18日までに、抗がん剤や放射線治療などで卵巣機能が低下した女性2人が、治療前に凍結保存していた卵巣組織を体内移植し、出産に至ったと発表した。がん治療と妊娠の両立が課題となる中、治療前に保存した卵巣組織を用いて出産に結びついた例として注目される。論文は国際医学誌に掲載された。
出産したのは、希少がん「ユーイング肉腫」の治療を受け、10〜20代で閉経状態となった2人。いずれも治療開始前に片側の卵巣を摘出して凍結保存していた。がん治療後に寛解状態となり、妊娠が可能と判断された段階で、保存していた卵巣組織を体内に戻した。
移植は卵巣組織を細かく分けて数珠状につなぎ、子宮近くの腹膜に作った空間に配置する手法を用いた。縫合を最小限に抑えることで血流障害や組織同士の重なりを防ぎ、定着しやすくする狙いがある。2人とも移植後に卵巣機能が回復して月経が再開し、体外受精による複数回の採卵と胚移植を経て妊娠。2025年に正期産で出産した。
がん治療では、治療の緊急性や年齢によって、治療前に卵子や受精卵を凍結できない場合がある。国内では、がん患者に対する卵巣組織移植後の妊娠・出産例の報告はあるものの、がん治療で閉経状態となった患者について、移植後の妊娠・出産経過を詳しく検証した例は限られていた。
聖路加国際病院の平田哲也医師は「がん治療と将来の妊娠を両立する選択肢となる可能性がある」と話しており、今後も症例を重ね、有効性や安全性を検証したいとしている。
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