2月13〜15日にオーストラリアで開催されたIGTC開幕戦バサースト12時間レースに出場したバレンティーノ・ロッシ(チームWRT) バレンティーノ・ロッシは、2シーズン参戦したWEC世界耐久選手権から離れ、今季2026年はGTワールドチャレンジ・ヨーロッパ・パワード・バイ・AWS(GTWCヨーロッパ)に復帰するという自身の決断について、より詳細な説明を行った。
■「鈴鹿はウィッシュリストに入っている」とロッシ
9度のモーターサイクル世界チャンピオンに輝いたイタリアのレジェンドは、2021年末に輝かしいMotoGPキャリアを終えた後、四輪レースの3年目と4年目にあたる2024年および2025年シーズンにチームWRTのLMGT3ドライバーリストに名を連ねた。
しかし先月、ロッシが今年のWECに背を向けWRTのBMW M4 GT3エボでGTWCヨーロッパに復帰することが明らかになった。彼がSROモータースポーツ・グループのシリーズにフル参戦するのは、2023年にGTWCヨーロッパのエンデュランス・カップとスプリント・カップの両方に出場して以来のことだ。
ロッシは今月初め、バサースト12時間レースでのラウンドテーブルの中で、キャンペーンの切り替えを決断した要因について説明した。
「僕はGTワールドチャレンジから始めて、その後WECに移った。なぜなら、それは世界選手権であり、勝てば世界チャンピオンになれるからだ」と語ったロッシ。
「WECを離れるという選択をしたのには、いくつかの異なる理由がある。まず第一に、僕は(コース上で)GT3だけでレースをするのが好きだからだ。ハイパーカーや複数のクラスと一緒にレースをしなければならないのは、これと同じではない」
「おそらく、僕がモーターサイクルレースの出身だからだろうが、(GT3だけの方が)僕にとってはよりエキサイティングなんだ」
「また、WECではヨーロッパ以外でのレースが多く、何日も家を離れなければならない。カタールでは1週間前に(プロローグの)テストがあるため、10日間も滞在しなければならない。ル・マンは素晴らしいレースだが、やはり10日間留守にすることになる」
「それは、ふたりの幼い娘がいる僕にとって負担が大きすぎる。(バサースト12時間の開催地である)オーストラリアに来て、ここに1週間だけ滞在するのは好きだが、それ以外はヨーロッパにいたいんだ」
ロッシは今月、マグアイアーズ・バサースト12時間に4度目の出場を果たし3位でフィニッシュしたが、クラウドストライク・スパ24時間への継続的な参戦を除き、IGTCインターコンチネンタルGTチャレンジの残りのレースへの参加は散発的であった。
WECでの活動が終わったいま、47歳のイタリア人はまだ参加したことのないニュルブルクリンク24時間に加え、バサーストとスパでのレース制覇への意欲を語った。
「ノルドシュライフェ(ニュルブルクリンク北コース)でレースをしてみたい」と彼は語った。「しかし、スパ24時間が間違いなく一年で最大のGT3レースだ。だからバサースト、スパ、そしてニュルブルクリンクで優勝したい」
昨年末にはスケジュールの都合で否定していた鈴鹿1000kmへの初出場の可能性が、WECからの離脱によって開かれたのではないかとSportscar365が尋ねると、このイタリア人は熱意を示した。
「鈴鹿は僕のウィッシュリストに入っている。いずれにせよWECをやらないのであれば、これまでより時間がたくさんある」とロッシ。
「鈴鹿でレースをしたいね。あのコースが大好きだ。最後に行ったのは2003年(MotoGP)だから、もう20年以上も前だ。実現することを願っている」
「すべてがうまくいけば、僕は今年鈴鹿でレースをするつもりだ。それが目標だ」
ロッシは、2024年にバーレーンで行われたWECルーキーテスト、でBMW MハイブリッドV8を試走する機会を与えられたが、何度もプロトタイプでのレース参戦の意向を表明しているにもかかわらず、まだ同ブランドのプロトタイプでレースをする機会は与えられていない。
ハイパーカーへの野望について改めて問われると、ロッシは次のように語った。
「もしハイパーカーでレースをするチャンスがあれば、もちろん最高だ。ハイパーカーは試乗したことがあり、それは素晴らしいクルマだったし非常に楽しかった。だから、その機会があれば非常にうれしいだろう」
「しかし、GT3に留まることも僕にとってはハッピーなんだ」
「僕の目標は頂点に上り詰め、GT3のトップドライバーになることだ。今はもう満足している。ハイパーカーでチャンスがあれば嬉しいが、GT3も楽しんでいるだ」
ロッシは昨年末、Sportscar365のインタビューで、MotoGPに参戦している自身のVR46チームがカスタマーとしてMハイブリッドV8を走らせる試みについては、資金面や人材面での大きなハードルを理由に、可能性をほぼ否定していた。
[オートスポーツweb 2026年02月25日]