遠のく選択的夫婦別姓=高市政権、旧姓法制化目指す―不便解消狙い、与野党に賛否

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2026年03月05日 15:01  時事通信社

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時事通信社

首相官邸に入る高市早苗首相=4日午前、東京・永田町
 自民党が衆院選で圧勝し、選択的夫婦別姓制度の導入は当面絶望的な状況となった。政府・与党は、戸籍上の夫婦同姓を堅持した上で、旧姓の通称使用を法制化する法案を今国会に提出する方針。高市早苗首相(自民総裁)は公的な書類などに旧姓のみを記載できる「旧姓単記」の実現に向けた検討を指示したが、具体的な制度設計はこれからだ。

 首相は旧姓の法制化で「改姓による不便」を解消できるとの立場。第2次内閣発足に際し、関係閣僚に対し「旧姓の単記も可能とする基盤整備の検討」を指示した。別姓の是非を議論してきた党のワーキングチームが昨年6月にまとめた「基本的考え方」に沿った内容だ。党内の保守系議員は「別姓を求める声は静まる」と述べ、別姓論議に終止符が打たれるとの期待を示した。

 自民と日本維新の会は昨年10月の連立政権合意で、旧姓法制化法案を国会に提出する方針で足並みをそろえた。維新は昨年5月、旧姓を戸籍に記載し、パスポートなどへの旧姓単記を可能にする法案をまとめている。与党内の協議が今後本格化する見通しだ。

 現在、住民票や運転免許証などは婚姻後の姓(戸籍上の姓)と旧姓の併記はできるが、旧姓のみの記載は認められない。旧姓名義の銀行口座では利用できない金融商品・サービスもある。

 自民は戸籍制度の維持が大前提だ。保守派の閣僚経験者は「民法と戸籍法は絶対に触らない。これが至上命令だ」と指摘。旧姓単記は住民基本台帳法の改正などで実現できると主張した。

 参政党の吉川里奈氏は2日の衆院予算委員会で、夫婦別姓に反対する立場から「旧氏(姓)を単独で使用できる場面が広く認められれば、実質的には夫婦別氏、親子別氏に近い状況が生じる」と指摘。保守派には、公的な身分証明書であるマイナンバーカードなどに旧姓のみが記されれば戸籍制度が形骸化しかねないとの懸念が根強い。

 首相はマイナカード、パスポート、免許証などには「併記を求めるといった検討が当然必要になる」と述べた。公的書類への単記を主張する自民議員は「かなり後退だ。何のための単記の指示なのか」と疑問を呈した。

 一方、戸籍姓と旧姓(通称)の使い分けにより社会制度は複雑化する。「成り済まし」など悪用リスクの対策も必要となる。「強制改姓」による人権・アイデンティティー上の問題の解決にはつながらないとの指摘は根強い。公明党の竹谷とし子代表は「婚姻後も生まれながらの姓で生き続けたいと望む人に強制的な改姓を強いる現状は生きづらさの原因になっている」と述べ、選択的別姓が必要と訴える。

 選択的別姓導入を巡る国会の議論はこう着状態が続いてきた。2024年の衆院選で自民、公明両党の与党が少数に転落すると、一時的に導入機運が高まった。昨年の通常国会では28年ぶりに衆院法務委員会で別姓導入法案が審議されたが、採決には至らなかった。

 導入を訴えてきた立憲民主党と公明が結成した中道改革連合は先の衆院選で議席を3分の1以下に減らすなど国会内の「別姓」勢力は縮小。導入の道は当面開かれそうもない。 

このニュースに関するつぶやき

  • それも含めて「こんなもの(野盗・パヨ)要らない」という民意が示されたのがあの衆院選なんだが、喚いているのは頭の中どうなっているの?度し難い。
    • イイネ!21
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