参院予算委員会の開会を前に、木原稔官房長官(左)、茂木敏充外相(右)らと会話する高市早苗首相(中央奥)=17日午前、国会内 トランプ米大統領が訴えるホルムズ海峡への艦艇派遣について、政府・自民党では慎重論が強い。法的なハードルが高い上、戦闘に巻き込まれる可能性も捨てきれないためだ。高市早苗首相はトランプ氏との会談を19日に控えており、苦悩を深めている。
「紛争が継続している中で慎重に考えていく必要がある」。自民党の小林鷹之政調会長は17日、記者団にこう強調。小野寺五典元防衛相は「現時点で、自衛隊の艦船が船を防衛するミッションは難しいと思う」との認識を示した。
自民はこの日、党本部でイラン情勢に関する関係合同会議を開催。出席者からは首相に対し、早期沈静化を求める日本の立場をトランプ氏に伝えるよう求める声が相次いだ。
政府は参院予算委員会で慎重な答弁を続けている。首相は「法的に可能な範囲で何ができるか、精力的に政府内で検討している」と説明。茂木敏充外相はルビオ米国務長官との16日の電話会談について問われ、艦艇派遣の「要請はもらっていない」と明言した。
首相は自衛隊派遣を巡り、安全保障関連法が定める存立危機事態や重要影響事態を念頭に、「国会の承認」が必要なケースもあると指摘。「その場合はできるだけ幅広く各党各会派の代表に丁寧に話をしたい」と述べた。
トランプ氏は16日、日本を名指しして石油の大半を「海峡を通じて得ている」と言及。14日に続いて艦艇を送るよう呼び掛けた。
首相は17日、国家安全保障会議(NSC)を開催。対応を協議したとみられる。政府関係者によると、日本を含む関係国の間で「航行の自由」の重要性を訴える共同声明を出す動きもあるという。高官は「まだ対応は決められない。少しずつ具体的な内容が見えてくるはずだ」と、トランプ氏の真意をぎりぎりまで見極める考えを示した。