「これだけの体制で結果が出なければ……」HRC、MUGEN、ARTAのトリプルネームで注目される8号車、ホンダ実質セミワークス体制の内訳

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2026年04月11日 11:00  AUTOSPORT web

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左から今年からホンダ陣営スーパーGTの開発を統括する徃西友宏LPL、TEAM MUGENの田中洋克ディレクター、8号車の鈴木亜久里監督、今年から16号車の監督となった土屋圭市監督
 いよいよ今週末に開幕を迎えるスーパーGT開幕戦、第1戦岡山。今年のGT500の注目どころとしてホンダ/HRCのニューマシン、プレリュードGTの投入は最大の注目点だが、もうひとつの注目ポイント、ホンダ陣営の今季の新体制と新しい取り組みについても見逃すことができない。

 ホンダ/HRCは今年、スーパーGTでのワークス化を視野に入れた現場の体制変更を行い、HRCからの派遣エンジニアが各チームに加入、そのHRCエンジニアを統括する立場としてテクニカルディレクター職が設けられた。そのワークス化に向けた活動チームとして、8号車ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GT(太田格之進/大津弘樹)がセミワークス的な立場で活動することになったのだ。

 8号車、16号車の2台を抱えるARTA MUGEN HRC PRELUDE-GTのメンテナンスを担当するTEAM MUGENの田中洋克ディレクター。8号車のセミワークス化への動きに合わせて、チーム側の体制も今年、大幅に変更することになった。

 今季は昨年16号車を担当していたトラックエンジニアの杉崎公俊氏がテクニカルアドバイザーという立場になり、小池智彦エンジニアがGTでは初めてとなるトラックエンジニアに就任し、8号車も新しく田口顕人エンジニアがトラックエンジニアを担当する。TEAM MUGENとしてはスーパーフォーミュラでの岩佐歩夢担当の小池エンジニア、野尻智紀担当の田口エンジニアと同じチームメイト同士の形になった。その理由を、田中ディレクターが話す。

「まずエンジニアリングは今後、やっぱり若い世代に受け継いで行くというのもありますし、スーパーフォーミュラ(SF)でもふたりは一緒ですので、社内でもコミュニケーション、クルマ作りとか相談がしやすくて有効ですからね。SFでうまくいっているので、それを活かそうという狙いがあります」

 せっかくのスーパーGTでの2台体制、そのメリットを十分に活かすには2台のコミュニケーションを高めるのは必須になる。ARTAとしては2台のトラック担当エンジニアの変更に加え、さらに杉崎エンジニアもアドバイザーとして新たな立場になるなど、エンジニアリング体制を強化した。

「小池、田口はふたりともGTは初めてということで、杉崎エンジニアがいなくなってしまうとやっぱり持ち込みのセットアップのセンスとかタイヤの選択とか、その経験値というのはものすごくあるので、いなければすごく困ります。ですので、杉崎エンジニアのいいところを残しつつ、バックを含めて(データ解析担当など)若いエンジニアとのコミュニケーションの組み合わせで、世代交代とチームを強化していくことを含めて変化を今年は与えています」

 さらに、かつてニスモに所属していた小河原宏一エンジニアもTEAM MUGENに加わり、戦略面のサポートを担当することとなった。

「スタッフの総数は増えていますね。メカニックの数はそんなに変わっていないですけど、エンジニアは通常のメンバープラス、HRCから2名という体制です。8号車だとTEAM MUGENのエンジニアが3人、HRCのエンジニアが2人になるので5人になります。いろいろ解析を含めて、どうしてもウチのスタックはSFと兼任になってしまうので、GTだけに集中してやりきれないところがある。ですのでHRCのスタッフさんにも解析してもらって、それを持ち寄ってという形ですね」

 今年から加入したHRCスタッフとの連携についてはどのような感触を得ているのか。

「ワークスという立ち位置、名前だけでなくHRCのスタッフと強いチームを作っていくというのは望んでいたので、ホンダさんからも僕たちがやりたいことを理解して頂いて、今回、HRCから2名に入ってもらいました。ですので、あとは結果だけですよね。これがうまく機能するようにやってかないといけないですね」

 チーム名にもあるように、ARTA、MUGEN、HRCのトリプルビッグネームの体制。期待値が高まる一方、この3つのビッグネームがうまく機能すのか懸念する声があるのも事実だ。

「そういう見方は当然ありますよね。これだけ人が集まるとね(苦笑)。たしかに大所帯ですし、これだけの体制で今年、結果が出なければ来年どうなるか(苦笑)。

 その懸念を受け入れてでも、何としてでも今年、結果を出したいという3つのネームからの意気込みの高さを感じる。

「そうですね。ホンダ/HRCさんもプレリュードGTに変わったことで今まで100号車(STANLEY HRC PRELUDE-GT)がメインで開発を進めてきていて、もちろん100号者には今年も活躍してもらいたいですけど、ホンダ陣営として他のチームにも力を入れていかないといけないというところで、HRCさんも今年、相当気合いが入っています。その流れでARTAにも何とか強化してほしいと。それができればホンダ陣営として結果を出せるでしょうと」

 ARTAの2台は今年、ホイールメーカーを変えて100号車と同じエンケイ製に合わせるなど、データを共有できるクルマ作りを進めている。それでも、開幕前の公式テストでは16号車が富士でトップタイムをマークしたものの、8号車としては目立ったリザルトは残せていない。

「まだまだですよね。16号車はそこそこのポジションに行けていますけど、(富士公式テストの時点で)8号車はまだバランスをどこに持っていけばいいのか迷っているところがある。毎年『今年こそは』といい続けていますけど(苦笑)、僕らもそうですけど、HRCさんもなんとか今年結果を出したいと思っていますからね。頑張ります」

 他チームが羨むほどのこれ以上ない充実した体制とともに、排水の陣で臨む今季のARTA MUGEN HRC PRELUDE-GT。まずは開幕前までの低迷を払拭するような走りで、開幕から勢いを取り戻したいところだ。

[オートスポーツweb 2026年04月11日]

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