
ある日、母さんは俺に向かって言い放った。「私、育て方間違っちゃったのかな〜」どうやら、ろくに笑顔も見せない無愛想な息子が面白くないらしい。今までの俺の頑張りが、おろかな母親にすべて否定されたような気がした。
机の上の参考書や問題集が目に入る。今までにオレが努力してきた証だ。勉強ばっかりできても……? ずっと「勉強しろ」って追い立ててたのは誰なんだ。あまりに腹が立ってしまって、目の前のテキストの山に握りこぶしを叩きつけた。
俺がどんなに立派な息子だろうと、母さんはきっと満足しない。常に誰かと比べて、あれが足りない、これが足りないと思うだけなんだろう。ライタは苦手な勉強よりも得意なことを伸ばせと言われて、やりたいことをやらせてもらっていたらしい。そんなにライタのことがお気に入りなら、俺のこともライタみたいにのびのび育てればよかったのに……。
何が「キョウスケの将来のため」だ。母さんは結局、自分の都合ばっかりだ。バカバカしくてもう、口もききたくなかった。どうしようもない怒りと、深い失望感が俺のなかで渦巻いていたのだった。
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