練習機「T4」墜落事故の調査結果について記者会見で述べる森田雄博航空幕僚長=31日午後、防衛省 昨年5月、航空自衛隊の練習機「T4」が愛知県犬山市の入鹿池に墜落し、隊員2人が死亡した事故で、空自は31日、隊員が操縦席内に救命キットを持ち込み、操縦に支障が出た可能性があったとする事故調査結果を公表した。ただ、事故の直接の原因は特定できなかったという。
調査結果によると、事故機はF15戦闘機の修理のため共に小牧基地(愛知県小牧市)を訪れ、所属する新田原基地(宮崎県新富町)に戻る途中だった。その際、後方の隊員がF15のキットを持ち込んだ。キットは重さ約9キロで、緊急時に必要な無線機などが入っていた。
事故機は離陸後に規定の速度を超える時速約650キロまで加速し、高度約1300メートルに到達。急降下した際、キットが操縦席内で動き、操縦桿(かん)に干渉した可能性があるという。
調査では、前方の隊員が、本来は離陸前に完了しているはずの装置を飛行中に操作していたことも確認された。空自は「速度や高度の操縦に集中できていなかった可能性がある」としている。
キットの輸送方法は空自内で規定していなかったという。事故を受け、空自は操縦席に運航を阻害する物品の持ち込みを禁止した。森田雄博航空幕僚長は31日の記者会見で「再発防止策を徹底したい」と述べた。