2026年F1第11戦ハンガリーGP 決勝スタートシーン 2026年F1では技術レギュレーションが大きく変更され、車体もパワーユニット(PU)も、新たな世代のものへと生まれ変わった。シーズン前半が終了した時点で、多くのドライバーたちが指摘するのは、エネルギーマネジメントの重要度が上がりすぎた現行パワーユニット規定の問題点だ。
サマーブレイク前に、FIAのシングルシーター部門責任者ニコラス・トンバジスが、autosport webの独占インタビューに応え、F1パワーユニットの新規則導入にまつわる裏事情、制度の問題点、今後の構想などについて語った。
第2回のテーマは、PUの内燃機関と電気モーターの出力比率をほぼ50対50とするという規則を導入するに至った経緯だ。この現規則は、既存マニュファクチャラーだけでなく、当時、新規参入を検討していたメーカーにとっても重要な案件だったと、トンバジスは説明、ドライバーたちが現在訴えている不満点については想定していたが、調整が困難だったと述べている。
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2026年から導入された現行のF1技術規則がなければ、フェラーリとメルセデスの2社しかパワーユニットマニュファクチャラーは残らなかった――。FIAのシングルシーター部門責任者ニコラス・トンバジスは、そう主張した。トンバジスは、さらなる電動化への流れがなければ、アウディ、フォード、GMがF1参入を決断することもなく、ホンダもF1に正式に戻ってくることはなかったとの考えを強く示した。
■ドライバーの不満は予想していた
トンバジスは、新規則に対してドライバーたちが強い不満を抱いていることは認めている。
「ドライバーというのは、本質的に要求が非常に厳しい人々だ。彼らが本音を隠したり、遠回しな言い方をしたりするとは、我々は思っていなかった。今シーズン開幕前の2年間に彼らが訴えた不満の多くは、我々も事前に予想していた。そのため、いくつか調整を試みたが、当時のガバナンス体制では実現できなかった」
「現実的に考えれば予想された結果だった。残念なのは、5月になってようやく2027年、さらには2028年に向けたパッケージについて議論を始めることになった点だ。本来であれば2年前には着手できたはずであり、そうしていればここまで多くの議論にはならなかっただろう。そもそも、パワーユニットの内燃エンジンと電動システムの出力比率を50対50近くにするという目標自体が、常に難しい課題だったのだ」
■マニュファクチャラー側が主導した規則
ドライバーたちはFIAやF1に対して現行規則への不満を訴えているが、トンバジスはまず、このレギュレーションは現在F1に参戦しているマニュファクチャラーと、参戦を検討したが最終的に断念したポルシェの各社の合意によって基本方針が決められたものであり、FIAが独自の考えを押し通せる立場にはなかったことを強調した。パワーユニットの出力配分を50対50とする考え方は、「すでにF1に参戦していた自動車メーカーにとって非常に重要な条件であり、率直に言えば、F1参入を検討していたメーカーにとっては、それ以上に重要な条件だった」と説明した。
そして、「この規則が導入されていなければ、F1にはパワーユニットサプライヤーが2社しか存在しなかったはずだということを忘れてはならない。それは大きな問題になっていただろう」と指摘した。
■2022年のシミュレーションで問題把握も、後戻りできず
トンバジスは、現在のような形で規則を変更していなければ、フェラーリとメルセデスだけがF1に残り、アウディ、フォード、GM、ホンダは参入を選ばず、さらに2035年までに市販車を全面電動化する方針を掲げていたルノーも、いずれにせよ撤退していただろうと考えているようだ。
また、「電動部分の比率を大幅に高めるという要件が、こうした問題を生み出した。2022年頃に最初のシミュレーション結果が出た時点で、我々はこうした課題を把握していた。しかし、その時点では計画がかなり進んでおり、変更するには遅すぎた。すでに多くの関係者が膨大な開発リソースを投入していたため、大きな方向転換はできなかった。その結果、今シーズン開幕時にはやや後手に回る形になってしまった」とも明かした。
[オートスポーツweb 2026年08月11日]