ロシアのプーチン大統領の北方領土訪問について、取材に応じる高市早苗首相=13日午後、首相公邸 政府は、ロシアのプーチン大統領による北方領土訪問を受け、どのような対抗策を取り得るか検討に入った。経済制裁の強化や駐ロ大使の一時帰国などが選択肢として浮上。ただ、日本は液化天然ガス(LNG)輸入の1割弱をロシアに頼っており、慎重に判断する方針だ。
外務省は14日、幹部間で断続的に協議。出席者の一人は、記者団に「今後の対応をどうするか考えている段階だ」と説明した。
プーチン氏は13日、北方領土で最大の択捉島を初めて訪れた。高市早苗首相は、即座に「断じて許容できない」と非難。茂木敏充外相も、ロシアのノズドレフ駐日大使を外務省に呼び出し、強く抗議した。
2010年にロシアのメドベージェフ大統領(当時)が北方領土の国後島を訪問した際、民主党政権は駐ロ大使を一時帰国させた。これを踏まえ、野党側からは「少なくとも大使を召還すべきだ」(玉木雄一郎・国民民主党代表)との声が上がる。
日本はまた、22年にロシアがウクライナへ侵攻して以降、個人・団体の資産凍結や、軍事転用可能な物品の輸出禁止などの制裁を、段階的に強化してきた。追加措置について、政府関係者は「余地がある」との認識を示した。
一方で、米国とイランの軍事衝突に伴う中東情勢の悪化は、日本のエネルギー供給網の脆弱(ぜいじゃく)さを改めて浮き彫りにした。ロシア極東の石油・天然ガス開発事業「サハリン2」は、日本の大手商社が権益を持つLNGの重要な供給源の一つ。政府関係者は「エネルギーは弱みだ」と漏らす。
自民党ベテランも「サハリン2を止められたら、日本側に害がある」と懸念。外務省幹部は「事態を深刻に受け止めている」としつつ、「今後については、情報分析などを通して見極めないといけない」と述べるにとどめた。