バイクのクイズ 第65回 直4&アルミフレーム全盛時代に現れた反逆児! なんてバイク?

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2026年08月18日 08:40  マイナビニュース

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● スポーツバイクの主流が直列4気筒+アルミフレームだった1995年当時、並列2気筒+スチールトラスフレームで登場した反逆児です。このバイクは何でしょう?

ヒント

ハイパワーマシンが実力を競い合う鈴鹿8時間耐久レースにも登場した850ccのバイクです。

――正解は次のページで!● ○問題をおさらい!

正解はこちら!

○【答え】ヤマハ「TRX850」

正解はヤマハ発動機の「TRX850」でした!

「TRX850」はヤマハ発動機が1995年に発売したオンロードスポーツです。当時の国産高性能スポーツモデルは4気筒にアルミフレームの組み合わせが主流でしたが、「TRX850」は850ccの並列2気筒エンジンにトラス構造のスチールフレームで登場しました。

「FZR」など人気の4気筒シリーズを持っていたヤマハがわざわざ2気筒のロードスポーツを作った理由は、1980年代からの超高性能レーサーレプリカブームが終わりつつあり、新しいジャンルを開拓する必要性があったからです。ヤマハでは、「YZE750Tスーパーテネレ」が1991年からパリ・ダカールラリーで三連覇を果たしており、この優れた2気筒エンジンを転用した市販オンロードモデル「TDM850」も欧州で大成功していました。

「TRX850」は「TDM850」をさらにロードスポーツ向けに刷新したモデルでしたが、当時はビッグツイン(2気筒)+トラスフレームと言えば「ドゥカティ」の代名詞でした。そのため、並列とV型というエンジン形式の違いがあるものの、赤/白のカラーコンビも似ていた「TRX850」は“ドゥカティもどき”などと揶揄されることもありました。また、レーサーレプリカで培った直4とアルミフレームの技術は最高速が300km/hに迫るオーバーリッタースポーツを誕生させ、大型免許を取得した若いユーザーの心をわしづかみにしていました。これに比べると「TRX850」は刺激が足りなかったようです。

しかし「TRX850」は凡庸な2気筒スポーツではなく、不等間隔の蹴り出しで高いトラクション性能を発揮する「270度位相クランク」を世界で初めて採用していました。このエンジンと適度な“しなり”を持つトラスフレームの組み合わせはコーナリングの楽しさを生み、さらには調整機能付きのサスペンションやブレンボ製ブレーキなど、ハンドリングと機能美にこだわるヤマハの哲学がギッシリ込められていました。

絶対的なパワーと性能に惹かれる若い4気筒世代はピンと来なくても、「TRX850」は2気筒の魅力を知るベテランライダー達から注目され、スプリント並みのタイムで競われる鈴鹿8時間耐久レースにも1995年から3年連続で参戦しました。8耐仕様にチューンされた「TRX850」を駆るのは根本健氏、平忠彦氏、クリスチャン・サロン氏というレジェンドライダー達で、ストレートで抜いていった4気筒マシンをS字コーナーで抜き返し、そのポテンシャルの高さを証明しています。

その後、他社からリッタークラスの2気筒スポーツが登場したこともあり、「TRX850」はモデルチェンジや後継機種を残すことなく1999年に生産を終了しました。しかし、独自の270度位相クランクはヤマハのエンジン開発にも活かされ、今や他メーカーを含めて並列2気筒の世界標準となっています。もっと評価されてもよい「隠れ名車」ではないでしょうか?

それでは、次回をお楽しみに!

津原リョウ 二輪・四輪、IT、家電などの商品企画や広告・デザイン全般に従事するクリエイター。エンジンOHからON/OFFサーキット走行、長距離キャンプツーリングまでバイク遊びは一通り経験し、1950年代のBMWから最新スポーツまで数多く試乗。印象的だったバイクは「MVアグスタ F4」と「Kawasaki KX500」。 この著者の記事一覧はこちら(津原リョウ)

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