2026年F1第12戦オランダGP ルイス・ハミルトン(フェラーリ) フェラーリF1チーム代表フレデリック・バスールは、F1オランダGP決勝でルイス・ハミルトンとシャルル・ルクレールは無線やレース後インタビューでチームに対する不満を述べていたが、ミーティングですべての情報を共有すれば納得するはずだと語った。ハミルトンは、ルクレールの後ろに詰まり、時間を失った際に、無線で苛立ちを示していたが、週明けにSNSを通して、そうした態度をとるべきではなかったとのコメントを発表した。
レース直後にメディアに対してバスールは、「レース後のブリーフィングですべての情報を共有すれば、ドライバーたちにも状況がはっきりし、我々の判断を理解してもらえるだろう。だから心配していない」と笑顔で語っていた。
■ルクレールの後ろで時間を失ったハミルトン
レース中盤、2番手を走るルクレールの後ろに、より新しいタイヤでペースが良いハミルトンが追い付き、足止めされる形になったため、ハミルトンは自分を前に出すようチームに求めた。フェラーリは42周目、ルクレールににピットに入るよう指示したが、ルクレールは入らなかった。フェラーリは再度指示を出し、次の周にルクレールはピットイン。ハミルトンは、その間に大きく時間を失ったと感じた。
ルクレールとしては、前を走っていたジョージ・ラッセル(メルセデス)がピットインしたばかりだったため、そのタイミングでピットに入ることは望んでいなかった。ハミルトンが追い付く前に、フェラーリはルクレールに対して、ラッセルがピットインした場合はステイアウトするよう指示していた。
その後、バーチャルセーフティカーが導入された際にハミルトンとルクレールはタイヤ交換を行い、ステイアウトしたラッセルの後ろでコースに復帰。終盤、ハミルトンは1秒以内の位置を走りながらオーバーテイクを狙ったが、最終盤に再びバーチャルセーフティカーが導入されたこともあり、ラッセルの前に出ることはできなかった。
■2台で戦略を分けることを決めていたフェラーリ
バスール代表によると、フェラーリは、決勝が2周目に赤旗中断となった後、2台の戦略を分けることを決めていたという。好スタートを決めて4番手に上がっていたルクレールには、新品ソフトタイヤを装着させて、その後はミディアム、ハードへと交換する計画だった。一方、6番手でリスタートを迎えるハミルトンについては、ユーズドソフトを与え、その後はハードタイヤ1セットで最後まで走らせることを考えていた。
そうした戦略がフェラーリにとって明白な選択肢となったのは、20周目あたりだった。ハミルトンは最初のスティントを延ばすことができ、前方に他車がいないクリアエアの中で、比較的競争力のあるタイムを刻んでいたからだ。
■メルセデスの判断を引き合いに出したハミルトン
しかし、チームはハミルトンに対して、どういうタイヤ戦略で走るのかを教えていなかった。ハードタイヤに交換すると、ハミルトンは再びプッシュした。自分はそのタイヤで最後まで走るとは知らなかったため、ハミルトンはルクレールに追い付いて足止めされた際に、フラストレーションを募らせた。
無線でかなり強い口調で苛立ちを示したハミルトンは、レース終了後のインタビューでも、最大の問題は「シャルルの後ろにいたことで時間を失い、それによってジョージに追いつくために埋めなければならない距離がさらに大きくなったこと」だったと主張した。
さらに、ハミルトンは、メルセデスは、タイヤが新しいアンドレア・キミ・アントネッリをラッセルの前に出すため、素早くチームオーダーを出したことに触れ、「前を見れば、メルセデスがああしたことを実行していた。優れたマシンでチャンピオンシップをリードする立場で戦っている彼らは、すぐにそういう判断をした。僕たちは後手に回って秒単位で時間を失った。だから、これは議論すべき問題だと思う」と述べた。
■ルクレールはピットストップの指示に疑問
一方、ルクレールも、チームから与えられた戦略に困惑していたことを認めた。
「これは僕たちが話し合うべき類いの選択だ。僕が見直したいと思っているのは、2回目のピットストップについてだ。僕たちはジョージにプレッシャーをかけて、彼にピットインを強いることを狙っていた。その後、ルイスが近づいてきた。そして2周後に僕はピットインするよう指示されたんだ」
「終盤に強力に追い上げるためには、メルセデスとの間にタイヤの差を作ることがとても重要だった。でも僕たちはそれを十分に実現できなかった。なぜそうなったのかを検証する必要がある」
■ライバルに情報を与えないため、戦略を伝えず
チームのデブリーフィングが始まる前、メディアの取材にリラックスした様子で応じたバスールは、ハミルトンに対して戦略について十分な情報を伝えていなかった理由を説明した。
「ルイスには戦略を完全には伝えていなかった。あの段階では、ライバルに情報を知られたくなかったからだ。我々としては、彼を最後までコース上に留めておきたいと考えていた。VSC(バーチャルセーフティカー)がなければ、それは正しい判断だったと思っている」
「シャルルはピットインする予定だったが、我々は彼のスティントを1周延ばした。それが一種の混乱につながった」
レース直後の段階では、ドライバーたちは不満を抱いていた様子だが、バスールは、説明すれば納得すると確信していた。
「私は心配していない。この後、全員がブリーフィングに戻ってくる。そこでレースについて明確な全体像を共有できる。そしてもちろん、フェラーリがなぜあの判断を下したのか、その理由も理解してもらえるだろう」
■ハミルトンは自らの発言を反省
一方ハミルトンは、週明けにSNSを通して、自分が無線やテレビインタビューで行った発言は良くなかったというコメントを投稿した。
「自分の無線やテレビでのコメントを聞き返した。ああいう瞬間の熱気の中では、フラストレーションが表に出てしまうことがある。特に、自分がこれほど深くのめり込んでいるときにはなおさらだ。でも、あれは自分の最善の姿ではなかった。その責任は自分にある。これからはもっと良くしていく」
[オートスポーツweb 2026年08月26日]