円高局面でもオルカン越え!! ファンドアナリスト厳選「9ファンド」はコレ!!

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2026年10月01日 17:01  マイナビニュース

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●オルカンに勝ち続けてきた「ベスト9」を検証 さきごろの日米協調介入により、ドル円レートが大きく動きました。これまでS&P500などの米国株に投資していた方も、為替レートが運用成績に与える影響を、改めて意識するようになったのではないでしょうか?

○ドル円レートに振り回されにくい運用は可能か?



円安が進めば、海外資産の円換算での価値が押し上げられる一方、円高になればその逆も起こります。実際、2026年8月半ば以降は株安と円高が進み、ドル円相場は8月末の160円台から9月8日には153円台まで円高が進みました。



とはいえ、為替相場を日々チェックしながら投資先を入れ替えられる人ばかりではありません。では、円高になっても為替の影響を受けにくく、比較的底堅い値動きが期待できる投資先はあるのでしょうか?



そこで今回は、SBI証券投資情報部のシニア・ファンドアナリスト・川上雅人さんに、1年・3年・5年のすべての期間でオルカンを上回った「好成績ファンド9本」をピックアップしてもらい、その実力を検証。直近の円高局面で見えてきた「円資産」の強みについても解説してもらいました。


* * *



2026年に入り堅調だった株式市場は、8月半ば以降、株安と円高が進む調整局面に入りました。米国のS&P500指数と日本のTOPIXはいずれも最高値更新後に反落し、ドル円相場(TTM)も8月末の160円台から、9月8日には153円台まで円高が進んでいます。



こうした環境下で、これまで好成績を続けてきたファンドはどのような値動きをしたのでしょうか。今回は、8月末時点で1年・3年・5年のすべての期間でeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)(愛称:オルカン、以下同)を上回る実績を残してきたファンドを取り上げ、円安ドル高のピークとなった7月24日以降のパフォーマンスを検証します。


幾多の下落局面を乗り越えてきた好成績ファンドとは



この5年間は、右肩上がりの相場ばかりではありませんでした。2022年は米連邦準備制度理事会(FRB)の急速な利上げを背景に主に米国のグロース株が下落し、2023年は米国の金融引き締めの長期化観測などから世界的に株式が一時調整する局面がありました。2024年には日本銀行の利上げや円高の進行を受けて主に国内株式が下落する場面があり、2025年にはトランプ政権の関税措置(いわゆる関税ショック)を受けて世界的に株式が下落しました。



今回抽出した9ファンドは、こうした複数の下落局面を経ながらも、1年・3年・5年のいずれの期間でもオルカンを上回るリターンを残してきたファンドです。単年の成績が良いだけでなく、異なる要因による相場変動を乗り越えてきた点も、これらのファンドを取り上げる意味といえます。



こうして5年にわたり好成績を残し続けた9本を、プロ野球で各ポジションの最優秀選手に贈られる「ベストナイン」になぞらえ、以下では「ベスト9」と呼ぶことにします。



ベスト9は、以下の条件で該当ファンドを抽出しました。



・SBI証券取り扱い(インターネット購入可)のNISA成長投資枠対象ファンド

・直近1年・3年・5年の年率リターンが、いずれもオルカンの実績(1年:33.12%、3年:24.29%、5年:19.72%、いずれも2026年8月末基準)を上回っている

・ファンドレーティング(総合)が5ツ星

・コモディティ(金)関連ファンドは、5年リターン上位1本のみを採用

・5年リターンの高い順に表示



該当した9本が図表1です。次のページで、各ファンドの解説をします。●「ベスト9」、それぞれの特徴は? 好成績ファンドの特徴

1位 野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)



世界の半導体関連企業への投資を通じて高い成長を取り込むファンドです。組入銘柄数は26銘柄で、上位5銘柄はNVIDIA(30.7%)、台湾セミコンダクター(15.1%)、ブロードコム(13.6%)、ASMLホールディング(7.2%)、マイクロン・テクノロジー(6.8%)となっており、上位2銘柄で全体の半分近くを占める集中度の高いポートフォリオです(※)。5年標準偏差は35.84%と10本の中で最も高く、値動きの大きさと高いリターンが表裏一体となっている点が特徴です。

2位 情報エレクトロニクスファンド



国内の電子・情報関連企業を中心に投資するアクティブファンドです。組入銘柄数は48銘柄で、上位5銘柄は村田製作所(7.3%)、東京エレクトロン(7.1%)、ソニーグループ(6.4%)、日立製作所(5.8%)、NTT(5.4%)となっており(※)、半導体製造装置や電子部品メーカーなど、AI関連の設備投資拡大の恩恵を受けやすい銘柄が上位を占めています。1984年設定と10本の中で運用期間が最も長く、複数の相場サイクルを経て実績を積み上げてきた点が特徴です。

3位 中欧株式ファンド



中欧地域の株式に投資するファンドです。分類上は「新興国・単一国」カテゴリーですが、投資国比率はポーランド72.2%、ハンガリー12.5%、チェコ4.2%と複数国に分散しており、単一国集中ではありません。組入銘柄数は18銘柄です(※)。5年リターンは29.35%と上位に位置しています。

4位 キャッシュフロー経営評価オープン(愛称:選球眼)



キャッシュフロー・バリュエーションモデルによる割安度評価と、アナリスト業績予想に基づく業績モメンタム評価を組み合わせて銘柄を選定するアクティブファンドです。特定の業種に偏らず、電気機器や銀行、卸売など幅広いセクターから銘柄を選定している点も特徴です(愛称の「選球眼」も、ベスト9にちなんだ偶然の一致です)。組入銘柄数は65銘柄で、上位5銘柄はリクルートホールディングス(4.5%)、みずほフィナンシャルグループ(4.2%)、三井住友フィナンシャルグループ(3.6%)、豊田通商(3.4%)、パナソニック ホールディングス(3.0%)となっています(※)。10年リターン(年率)も19.26%と長期でも相対的に良好な実績を残しています。

5位 ゴールド・ファンド(為替ヘッジなし)



金価格への連動を目指すファンドです。中長期的には株式ファンドとは異なる値動きを持つ傾向があり、ポートフォリオの分散先として位置づけられる一方、為替ヘッジなしのため円相場の変動が損益に直接影響する点に留意が必要です。

6位 NZAM 日本好配当株オープン(3ヵ月決算型)(愛称:四季の便り)



国内の配当利回りに着目したアクティブファンドです。組入銘柄総数は99銘柄で、上位5銘柄は日清紡ホールディングス(2.9%)、住友電気工業(2.6%)、兼松(2.4%)、日本化薬(2.2%)、プロクレアホールディングス(2.2%)となっています(※)。5年標準偏差は13.79%と10本の中でも低い水準にとどまっており、10年リターンも17.63%を確保しています。

7位 三菱UFJ バリューオープン



割安と判断した国内株式に投資するアクティブファンドです。組入銘柄数は54銘柄で、上位5銘柄は三菱UFJフィナンシャル・グループ(5.6%)、パナソニック ホールディングス(5.5%)、みずほフィナンシャルグループ(3.7%)、日立製作所(3.4%)、リクルートホールディングス(3.3%)となっています(※)。10年リターン(年率)は17.24%で、長期にわたり相対的に良好なパフォーマンスを維持しています。

8位 日本株配当オープン(愛称:四季の実り)



国内の高配当株に投資するアクティブファンドです。組入銘柄数は76銘柄で、上位5銘柄は三菱UFJフィナンシャル・グループ(5.0%)、三井住友フィナンシャルグループ(3.7%)、みずほフィナンシャルグループ(3.2%)、東京エレクトロン(2.9%)、東京海上ホールディングス(2.8%)となっています(※)。5年標準偏差は13.28%と9本の中で最も低く、値動きを抑えながら高いリターンを実現している点が特徴です。

9位 One割安日本株ファンド(年1回決算型)



配当利回りやPBR(株価純資産倍率)などから割安と判断される国内銘柄を対象に、企業調査に基づく経営戦略や成長性の評価も加味して投資するアクティブファンドです。年1回(12月)決算を行う点も特徴です。組入銘柄数は77銘柄で、上位5銘柄は三菱UFJフィナンシャル・グループ(6.3%)、三井住友フィナンシャルグループ(5.2%)、豊田通商(4.0%)、東京海上ホールディングス(3.2%)、ソニーグループ(3.0%)となっています(※)。



※組入銘柄の情報は2026年8月末基準。個別銘柄の取引を推奨するものではありません。

円高局面での値動きは?



2026年7月24日は、投資信託の基準価額の計算に使われるドル円TTMが、本年の円安ドル高のピーク(164円01銭)をつけた日です。この日を基準に、9ファンドの値動きを確認したものが図表2となります。ユーロ円TTMやオルカンとも比較しました。


この間、米ドル対円レート(7/24を100として指数化)は94.3と円高が進行しましたが、ベスト9のうち8本はオルカンと同水準か、これを上回る値動きとなりました。唯一下回ったのは野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)で、為替以上に、半導体株自体の調整の影響が大きかったとみられます。なお、ユーロ円レート(同)も同期間で95.7と円高方向に推移しています(ユーロ円自体の年高値は4月17日で、7月24日が円安ユーロ高のピークだったわけではありません)。



なかでも、国内株式に投資する情報エレクトロニクスファンド、NZAM 日本好配当株オープン(愛称:四季の便り)、三菱UFJ バリューオープン、キャッシュフロー経営評価オープン(愛称:選球眼)、日本株配当オープン(愛称:四季の実り)、One割安日本株ファンド(年1回決算型)は、9月15日時点では、いずれも97〜101に収まっていました。



これらが為替の影響を直接受けない「円資産」であることに加え、金利上昇局面ではバリュー株や高配当株が相対的に選好されやすいことも要因です。将来の成長期待を織り込むグロース株は金利上昇の影響を受けやすいのに対し、足元の利益や配当を重視するバリュー株・高配当株は影響を受けにくいためです。一方、海外資産ファンドのうち、中欧株式は投資先資産の上昇力が為替差損を上回り増価しました。金は為替差損とほぼ拮抗し、ほぼ横ばいで推移しています。これに対して世界半導体株投資は、投資先資産の上昇力が為替差損を上回れず、目減りする結果となりました。

円高でも底堅かった「円資産」、分散先としてどう考える?



今回抽出した9ファンドは、いずれも8月末時点で1年・3年・5年の複数期間においてオルカンを上回る実績を残してきたファンドです。今回のような円高局面では、国内株式ファンド(円資産)は為替の影響を直接受けないため比較的安定し、海外資産ファンドは投資先資産の上昇力によって明暗が分かれました。



海外資産ファンドの好成績には過去5年の円安進行も追い風となりましたが、中欧株式ファンドやゴールド・ファンド(為替ヘッジなし)が直近の円高局面でも底堅く推移したように、長期的には為替以上に資産そのものの成長がリターンを左右すると考えられます。



もっとも、国内株式ファンドも海外売上比率の高い企業を通じて間接的に円高の影響を受けうる点には注意が必要です。値下がりの経路は為替差損とは異なるため、値動きの要因を分散させるという観点では、両者を組み合わせる意義は残るといえるでしょう。



こうした点を踏まえると、NISA成長投資枠では、オルカンのようなインデックスファンドによる分散投資をコアに据えながら、国内株式ファンドや、原資産自体の成長力が高いファンドを組み合わせることも選択肢の一つといえそうです。



掲載されたファンドの情報はこちら


『投資情報メディア』より、記事内容を一部変更して転載。



川上雅人 かわかみまさと SBI証券 投資情報部 シニア・ファンドアナリスト(公益社団法人日本証券アナリスト協会認定アナリスト) 慶應義塾大学卒業。中堅証券会社で国内株アナリスト、国内大手運用会社で18年間、商品企画・営業などを担当後、2020年よりファンドアナリストとして活動。2022年11月から現職。最新の投資情報を発信する『投資情報メディア』やダイヤモンドZAIなどのマネー誌で投資信託や資産運用(NISAなど)の情報提供を行う。趣味は野球観戦とランニング。 この著者の記事一覧はこちら(川上雅人)

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