いよいよグランツーリスモ7にスポーツランドSUGOが初登場。GT出身プロの冨林、利徠斗、フラガに聞く攻略ポイント

0

2026年10月15日 00:21  AUTOSPORT web

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

AUTOSPORT web

2026スーパーGT第6戦SUGO ホームストレートポストの電光掲示板に表示されたグランツーリスモ7へのコース追加の文字
 シリーズ30周年を記念した無料大型アップデート“スペック4”を2026年10月と12月の2回に分けて配信するグランツーリスモ7。10月15日のアップデートでは、宮城県のスポーツランドSUGOがシリーズ初収録される。国内のレースファンにはおなじみのサーキットだが、グランツーリスモシリーズで走るのは初めてというプレイヤーも多いはず。そこで、バーチャルのグランツーリスモから実車のプロレーシングドライバーになった冨林勇佑、小林利徠斗、イゴール・オオムラ・フラガの3名に攻略ポイントを聞いた。

 SUGOは1周3.586kmの右回りでアップダウンが続くコース。コの字状の1〜2コーナーの先には下りながら左にハイスピードで曲がる3コーナーがある。やや上りの4コーナーの後はS字、ハイポイント、レインボーコーナーとテクニカル区間が続き、バックストレートを抜けると馬の背、SPのふたつコーナーを経て高速の最終コーナーへ。最終コーナーからホームストレートにかけては最大10%の上り勾配になっており、コース幅とエスケープゾーンが狭く、波乱が起きやすいサーキットとしても知られている。


■冨林勇佑「『止めて曲がる』ではなく『止めながら曲がっていく』」

 冨林勇佑は2016年FIAグランツーリスモチャンピオンシップのマニュファクチャラーズカップを制し、ネイションズカップでも2位に入ったトッププレイヤーだ。2018年に実車レースにデビューすると“eスポーツレーサー兼リアルレーサー”としてステップアップしてきた。SUGOではスーパー耐久ST-4クラスのコースレコードタイムである1分31秒820を持つ冨林は、このコースを「鈴鹿と同じぐらい好きですし、得意でもあります」と言い切る。

 SUGOの印象については「エスケープゾーンが少ないので攻めることのスリルがありますし、ギリギリを攻めていくからこそ、ドライバーの差が出るコースだと思っています」と言う冨林。SUGOを攻略するうえで大事にしているのはコーナーを通過する速度だと続ける。

「狭いわりに速度を乗せて進入しないといけないコーナーがとても多いです。広くて直線の長いコースなら、その先のストレートに向けて立ち上がり重視の走りになりますけど、SUGOはすぐ次のコーナーが来るので、いかに進入速度を上げてコースに留まるかがすごく大事になります。ターンインからクリッピングポイントまでの速度を上げていくかが非常に大事だと思います」

 グランツーリスモシリーズには市販車からさまざまなレーシングカーまで幅広い車種が揃う。クルマによって走り方は変わるのかを聞くと、冨林は縁石の使い方の違いを挙げた。

「市販車のほうが、より縁石を使うことができます。縁石を使うとそのぶんコース幅が広くなるので、縁石を越えた先でクルマがどう動くかを想像しながら、高低差も含めて3Dで考えて走るのが市販車ですね。一方でレーシングカーは、あくまで実車では縁石に乗るとクルマの下に空気が入ってダウンフォースが減ります。なので、基本は縁石にそこまで乗らないか、乗るとしても空力が乱れない程度。クルマを浮かさずに速度を保つ必要があるので、レーシングカーのほうがコース幅が狭く感じますし、縁石もあまり使うことができません。その難しさはありますけど、走り方自体はそこまで変わらないですね」

 アップダウンの激しいSUGOでは、同じコーナーでも選んだクルマによって縁石をどこまで使うかを考える必要がありそうだ。これからグランツーリスモ7で走るプレイヤーへのアドバイスをもらうと、冨林はコーナーでの減速の仕方を強調した。

「実車だと最終コーナーはいろいろな難しさがあるんですが、グランツーリスモではわりと乗りやすくなると思います。それよりも、インフィールド区間でいかにクルマを止めすぎずに曲げていけるかを意識してほしいですね。『止めて曲がる』のではなく『止めながら曲がっていく』ことを意識して走ってもらえるといいかなと思います」


■小林利徠斗「1周は短いが細かなテクニックが必要なコース」

 小林利徠斗はカートといった実車に加え、グランツーリスモでは2021年のTOYOTA GAZOO Racing GT Cupで3位となり、2022年にTGR-DCレーシングスクールのスカラシップに選出、FIA-F4に参戦しチャンピオンに。2023年にはグランツーリスモワールドシリーズのネイションズカップで2位に輝き、現在はスーパーGT GT500クラスとスーパーフォーミュラに参戦している。その小林はSUGOを「コース幅とエスケープが非常に狭いかつ、速度はかなり高いコース」と評する。

「SUGOは1周は短いのですが、かなり多種多様なコーナーがそろっています。1周を通して『この走り方が正解』というのが難しく、各コーナーに合わせた走らせ方をしっかりと意識するといいますか、どんな走り方が良いのかを、それぞれのコーナーごとに意識して考えることが大事だと思います」

 FIA-F4からスーパーGT GT300クラス、今季はGT500クラスとスーパーフォーミュラ、さらにスーパー耐久やGR86/BRZ Cupといった多種多様なクルマでの走行経験も持つ小林。SUGOではクルマによる走らせ方の違いを実感しているという。

「駆動方式から始まり、パワーと重量、タイヤがどれだけグリップするか、重心が高いか低いか、足が硬いか柔らかいか。本当にそういったことのひとつひとつで走らせ方はかなり変わってきます。とくに馬の背、SP、最終コーナーは速度域が高いうえに、クルマの性能によって走らせ方は変わります。曲がりやすいマシンもあれば、動きが鈍いクルマは自分から動かしてあげないといけないので、そのあたりは結構違うと思います」

 小林が挙げた馬の背からSPコーナー、最終コーナーまでは、バックストレートで伸びた速度を保ったまま抜けていくコース後半の高速区間。ダウンフォースの大きいレーシングカーと市販車とでは、ブレーキングの量も、ステアリングを切るタイミングも大きく変わる。グランツーリスモでもクルマを乗り換えるたびに走らせ方を見直す必要はあるはず。小林にSUGOのタイムアップのカギを聞くと、以下のように答える。

「SUGOは“止めすぎると遅い”というのがあると思います。他のコースの走り方だけにもとらわれてはいけないですし、4コーナーを立ち上がってシケインへ向かうあたりはリズム感も大事になります。1周は短いですけど、細かなテクニックがいろいろと必要になるコースです」

「実車では最終コーナーのタイヤカスがひどくなってくるのですが、グランツーリスモではあまり感じないことかと思います。でも、コース幅が狭くて速度域も高いので、レースでは仕掛けるタイミングと仕掛け方を間違えるとかなり危ないことに繋がります。そういったところは慎重な判断も大事ですね」


■フラガ「攻略ポイントは4コーナー立ち上がりからシケイン」

 イゴール・オオムラ・フラガは2018年にはFIAグランツーリスモチャンピオンシップのネイションズカップで王者に輝き、その後のマニュファクチャラーズカップも複数回制しているグランツーリスモトッププレイヤーのひとり。近年ではスーパーフォーミュラやスーパーGT GT500クラスでの活躍が目覚ましい彼が持つSUGOの印象は「“ザ・オールドスクール”なサーキット」だと言う。

「アップダウンが激しいけども、意外としっかりと止まるコーナーが少ないんです。バックストレート後の馬の背コーナーも正直そこまで速度は落とさない。コーナーには結構傾きがついていてRも長めというSUGO独自のリズム感がありますね。しかも、すごくチャレンジングでウォールとの距離も近い。最終コーナーでコースアウトしたらとんでもないことになりますからね(笑)」

 SUGOにはハードブレーキングでしっかり減速するコーナーが少なく、速度を残したまま次のコーナーに繋いでいく区間が多い。フラガが言う「独自のリズム感」は、高い速度域での連続したコーナリングとほとんど途切れない高低差から生まれる。広いランオフエリアを持つ近代サーキットとは違い、ミスがクラッシュに直結する緊張感もフラガの言う“オールドスクール”らしさだろう。一方で、SUGOを攻めるときに難しいのは、クルマの状態を正確につかむことだという。

「実車だとフロントが引っかかっている感じが毎周のように違ったりしますし、予選やレース中でもフロントのグリップの感じ方によっては、どこまでプッシュしていいかが変わってきます。最終コーナーも含めて、そのあたりが実車ではすごく難しいと感じます。ただ、グランツーリスモではテクニカルなセクター1とセクター2あたりがすごく鍵になるんじゃないかなと思います」

 グランツーリスモのSUGOで鍵になるとフラガが見るセクター1と2は、3コーナーから4コーナー、S字、ハイポイントに続くコースの前半部分。冨林が「インフィールド区間で止めすぎずに曲げていく」を挙げたのと同じく、フラガもタイム差がつくのはコース前半だと感じている。そして、フラガが特に気をつけるべき場所として挙げたのも、その区間だ。

「グランツーリスモで走ることを考えると、4コーナーの立ち上がりからシケインに行くまでが意外とすごく難しいんです。ホイールスピンしやすくて、今日もクラッシュがありましたよね(※スーパーGT第6戦公式練習でのリアライズコーポレーション Z)。一見は何もないように見えるんですけど、すごく難しくいので、攻略ポイントになるように感じますね」

 共通していたのは、SUGOでは“止めすぎない”ことと、コースならではのリズムを掴むことの大切さ。10月15日のアップデート後にスポーツランドSUGOを走るときは、グランツーリスモから実車の世界に進んだ3人の言葉を思い出しながら、以下のシリーズ公式で公開されているオンボード動画なども参考にベストラップを目指してほしい。

[オートスポーツweb 2026年10月15日]

    ランキングゲーム・アニメ

    前日のランキングへ

    ニュース設定