AOKI、レディース事業に注力 「フレッシャーズ中心」を辞めたワケ

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2024年10月16日 06:21  ITmedia ビジネスオンライン

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AOKIがブランド化し強化する「MeWORK」(発表会にて編集部撮影)

 AOKIは10月15日、レディース向けのビジネスウェア「MeWORK(ミワク)」を強化し、現在2割となっているレディース事業の売上高構成比率を、2032年までに全体の3割に引き上げるとの中長期目標を発表した。レディース事業が好調に推移していることを受け、2021年に立ち上げたMeWORKをブランド化。カテゴリーの柱としたい考えだ。


【画像】発表会に登壇した上戸彩・今田美桜両氏、新たに公開される「MeWORK」のCMなど(計7枚)


●「フレッシャーズ中心」→「働く女性向け強化」が奏功


 同社のファッション事業は、コロナ禍において大幅に落ち込んだ。2019年3月期には1144億円となっていた売上高は、20年3月期には983億円、21年3月期には853億円と推移。社会・経済活動の正常化に伴い、2024年3月期には1000億円にまで回復したが、2019年の水準までには戻っていない。


 一方で好調となっている領域が、「パジャマスーツ」をはじめとしたカジュアルウェアのラインアップや、働く女性向けのウェアだ。


 AOKIは2002年度にレディース事業に参入。事業として大きく成長したのは2008年度から2013年度にかけてのことだ。当初はフレッシャーズ(大学入学式用)やリクルート(就活用)でのシェアを獲得したことにより、事業の拡大を成功させた。


 一方で同社は、少子化によって若年女性向けのスーツ需要には限界があるとみて、2014年度からは強化する対象を「働く女性」向けマーケットにシフト。MeWORKブランドマネジャーの緑河育美氏は「ファッション訴求を中心としたトライアンドエラーを繰り返し、一定の成果を残すことができた」と振り返る。


 こうした戦略や、女性の就業率の上昇といった社会背景に伴って、2023年度のレディース事業の売上高は、方向転換した2014年度と比較して128%に伸長。ファッション事業における売上高構成比も、14.9%から20.9%に上昇した。同社の事業の中でも存在感を示している。


●「高機能」に特化し訴求


 同社はMeWORKを、働く女性向けのウェアをさらに強化する施策として、2021年に開始。洗濯機で丸洗いが可能な点やストレッチ性といった「高機能」性を前面に打ち出した。あわせて、女性ファッション誌とのタイアップや、社員によるSNS発信といった発信も強化。こうした施策も後押しし、同社では「フレッシャーズ・リクルート中心」だったレディースの主な顧客層が、特に30〜60代女性において拡大したという。


 10月15日に公開されるCMでは、俳優の上戸彩氏と今田美桜氏をブランドキャラクターに起用。働く女性層への訴求をさらに強める狙いだ。


 緑川氏はレディース事業について「2032年までに、売上高構成比率の30%を達成することを目指す」とし、「あくまでも通過点。レディースビジネスウェアでファーストチョイスブランドになれるよう成長していく」と意気込む。MeWORKの強化により、同社のレディース事業はさらなる拡大を遂げられるか。



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