東京電力は5日、福島第1原発事故で溶け落ちた2号機の核燃料(デブリ)の試験的取り出し作業で、格納容器の外に取り出したデブリの放射線量を測定し、回収可能と判断したと明らかにした。線量は毎時約0.2ミリシーベルトで、想定を下回った。回収完了は7日以降になる見通しで、成功すれば2011年の事故後初めてとなる。
東電によると、先月30日に採取した5ミリ大のデブリから、20センチの距離で線量を測定した。毎時24ミリシーベルトを超えた場合は、格納容器内に戻す計画だった。
7日以降に、デブリを運搬用の専用容器に移し替えて回収作業は完了。その後、日本原子力研究開発機構の施設などで詳しい成分などを分析し、将来の本格的な取り出しに向けた研究に役立てる。
デブリは同原発1〜3号機内に計約880トンあると推定されている。放射線量が極めて高く、詳しい状態や性質も分かっていないため、取り出しは廃炉作業の中でも「最難関」とされている。