生駒里奈が語る俳優業への思い 「自分ではない瞬間が多ければ多いほど自分の人生が楽しい」【インタビュー】

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2024年11月20日 08:10  エンタメOVO

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生駒里奈 (C)エンタメOVO

 ドラマ・映画・舞台と数多くの作品で活躍する生駒里奈が、ストーリー性のある演劇的な世界観をダンスとJ-POPで作り上げるダンスエンターテインメント集団「梅棒」の最新作、梅棒 19th GIFT「クリス、いってきマス!!!」に出演する。生駒にとって梅棒初参加となる本作は、笑って泣けて心あたたまるクリスマスファンタジー。生駒はサンタクロースの弟子・クリスを演じる。生駒に公演への意気込みやクリスマスの思い出、2024年の俳優活動について話を聞いた。




−梅棒の公演に初参加となりますが、出演が決まったときはどのような心境でしたか。

 乃木坂46現役の頃からずっとお声がけいただいていましたが、なかなか結びつかなかったので、念願かなって出演ができてうれしいです。もともと、ダンスは好きですが、うまいわけではないので、私にはすごく大きな挑戦だと思います。ですが、出演するからにはしっかりとその世界観とダンスを作り上げていきたいと思っています。

−実際にお稽古がスタートしてどんなことを感じていますか。

 個人的にはダンスをするのは6年ぶりくらいになるので、日々、楽しいです。とはいっても、アイドルのダンスとは全く違って、今回、作るのはお芝居で、ダンスで物語を表現するというものなので、振り入れは難しいですが、稽古場に行くのが楽しいです!

−ノンバーバルな作品(セリフがなく身体表現のみで表現する作品)ということもあり、フィジカル的な大変さもありそうですね。

 稽古をしていくうちに体力はついていくので、あまり気にしてないかな(笑)。運動が大嫌いなので、筋トレなんて一生できない(笑)。私が唯一、体を動かせるのは稽古中、作品を作る途中しかないので。なので、仕事をしていた方が健康的に過ごすことができるんです。

−稽古を進めていて、梅棒ならではだと感じることはありますか。

 ダンスだけでなく、役として表現するので、普通のパフォーマンスともまた違います。言葉がない分、喜怒哀楽を全面に出していかなくてはいけないので、自ずと梅棒の独特の動きやコミカルな動きが出来上がっていくんだろうなと思います。クリスが今どういう気持ちなのかを伝えるためには、大きく表現しないと伝わらないので、そこは意識しています。パフォーマー同士、俳優同士なので、目を見て伝わる部分も多いですが、それだけでは伝わらない。普通のお芝居でも、お客さんに伝わらなかったらそれはただの自己満足なのでしっかりと伝えなければいけないですが、それをダンスで伝えるというのがやはり梅棒らしいところなのかなと思います。

−今回はクリスマスのお話ということですが、ストーリーの魅力について教えてください。

 子どもの頃は、クリスマスは特別なもので、めちゃくちゃ楽しみにしていた日だったと思います。「サンタさんも来てくれるし、おじいちゃんとおばあちゃんからもクリスマスプレゼントがもらえるし、最高!」って(笑)。大人になるとプレゼントを渡す側になるのであまり特別感がなくなってしまうかもしれませんが、この作品では子どもだった頃の特別なワクワク感を感じていただけたらうれしいです。きっとお客さんはクリスの目線で物語をご覧になると思うので、そうしたことも意識して作っていきたいと思っています。

−生駒さんにとって、クリスマスといえばどんな印象がありますか。

 クリスマスかぁ…もう別に(笑)。デビューしてからはクリスマスプレゼントももらっていないですし。私は物欲があまりないので、誰かからプレゼントをもらいたくないんですよ。物に責任を持つのが嫌なので、人にプレゼント渡すときも消え物しか渡さない。その人が好きな食べ物や入浴剤などの使い捨てられる物しか渡したくないんです。同じように自分も形に残るものはもらいたくなくて。子どもの頃は自分では買えないので、サンタさんや親からプレゼントをもらえるクリスマスが楽しみだった気持ちはありますが、大人になってからは欲しいものは自分で買えるようになったので、ああ、大人になってしまったんだなと。クリスマスのイルミネーションを見て、楽しそうだなというくらいですね(笑)。

−なるほど。では、公演が12月ということで、2024年の振り返りをお願いします。

 今年は自分で掲げた目標に対しての成果も感じることができたので、充実した1年でした。これまではどこかで「やらされている」という感覚があって、自分の意志でできたことが少なかったように思いますが、今年は全て自分で決めることができました。自分が思い描いていた理想像と自分が重なることができて、手応えを感じられた良い1年だったなと思います。

−この1年で特に印象に残った出来事は?

 朗読劇「青野くんに触りたいから死にたい」で、自分が目標にしていた自分になれたことです。芝居がうまくなっているという自信がついたので印象に残っていますし、またご一緒したいと思う演出家の方や大事な俳優仲間に出会えたことは財産になりました。

2025年の目標を教えてください。

 20代最後の年になりますが…特に20代に特別なこだわりもなく、早く30歳になりたいですが、来年1年過ごすしかないので(笑)。お芝居の縁をいっぱい広げていきたいなと思います。

早く30歳になりたいというのは、30代の方が楽しそうだからということですか。

 お母さんが「おばさんの方が楽しいよ」と言っていたのですが、確かにと思って。10代の頃より20代後半の今の方が悩みが少ないですし、ということは、30歳、40歳になったときにもっと楽しいのかなと考えると、年齢を重ねるのもうれしいことだなと思います。俳優としても、20代前半は高校生のヒロインという役が多かったですが、年齢を重ねるごとに少しずつそれも変化してきて、30歳になったらもっといろいろな役ができるんだろうと思います。私はできる限り俳優を続けていきたいと思っているので、さらに幅広い役ができるように今年は準備期間になればいいなと思います。世間が思う“生駒ちゃん”のイメージは、どうしてもデビュー当時の私だと思います。ですが、それは乃木坂46というグループで出ていたもので、私個人としての生き方ではない。俳優を続けていくことによって、そちらで縁がたくさんつながっていって、どんどん芝居のお仕事が増えていくように頑張りたいと思います。

−お芝居の面白さはどのようなところに感じていますか。

 私はお芝居している方が元気なんですよ(笑)。自分の人生にあまり興味がないので、プライベートではあまり楽しさが見いだせないんです。ですが、こうしてお仕事をさせていただいているおかげで、自分ではない時間に没頭することができ、生きられているのだと思います。普通の生活が苦手なので、そこから逃げるという意味でもお芝居をしていた方が生きやすい。自分ではない瞬間が多ければ多いほど自分の人生が楽しいですし、楽なんです。なおかつ、それがファンの方や私を見てくださった方の楽しいという瞬間になってくれたら一石二鳥だなと思います。

−改めて、公演に向けての意気込みと読者にメッセージをお願いします。

 2024年の締めくくりの作品にふさわしい、楽しい物語になっていると思います。選んで損はない作品です。キャスト一同、スタッフ一同、皆さんのことを首を長くして劇場でお待ちしておりますので、ご来場いただけたらうれしいです。

(取材・文・写真/嶋田真己)


梅棒 19th GIFT「クリス、いってきマス!!!」


 梅棒 19th GIFT「クリス、いってきマス!!!」は、12月1日〜15日に都内・サンシャイン劇場ほか、大阪、愛知で上演。

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このニュースに関するつぶやき

  • 若いうちは若いだけで需要あったけど、30代にもなると本当に必要とされてないと周りからすぐにそっぽ向かれてしまいますからね。それはどんな職場でも。そこからが本当の人生ですよ
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