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気象庁が発表した「2024年の天候のまとめ(速報)」によりますと、2024年の日本の年平均気温及び日本近海の年平均海面水温はいずれも、これまでの1位の記録を大きく上回って統計開始以降、最も高い値となる見込みです。また、 世界の年平均気温も、これまでの1位の記録を大きく上回って統計開始以降、最も高い値となる見込みです。
●2024年の日本の天候
2024年は全国的に気温の高い状態が続き、日本の年平均気温偏差※1は+1.64℃(1〜11月の期間から算出した速報値)と、統計を開始した1898年以降、これまで最も高い値だった2023年の+1.29℃を大きく上回り、最も高い値となる見込みです。
【日本の年平均気温偏差の順位表(上位 5 年)】
1位 2024年 +1.64℃(速報値)
2位 2023年 +1.29℃
3位 2020年 +0.65℃
4位 2019年 +0.62℃
5位 2021年 +0.61℃
特に東・西日本と沖縄・奄美で記録的な高温となり、夏・秋の2季節連続で季節平均気温が1位(タイ記録含む)の高温となりました。全国153の気象台等のうち、夏は80地点(21地点のタイ記録含む)、秋は120地点(4地点のタイ記録含む)で、各季節の平均気温が歴代1位の高温となりました。
年降水量は東日本太平洋側と沖縄・奄美でかなり多く、春と夏に降水量がかなり多かった東海地方では、1946年の統計開始以降、年降水量が1位の多雨となりました。
2024年の日本近海の年平均海面水温の平年差※2は、+1.46℃(1〜11月の期間から算出した速報値)で、統計を開始した1908年以降、これまで最も高い値だった2023年の+1.10℃を大きく上回り、最も高い値となる見込みです。
※1 日本の年平均気温偏差
観測データの均質性が長期間確保でき、かつ都市化等による環境の変化が比較的小さい地点から、地域的に偏りなく分布するように選出した15地点について、それぞれの気温の30年平均(1991年〜2020年)を基準とした偏差を求め、それらを全地点で平均した値。
※2 日本近海の年平均海面水温の平年差
その年の日本近海の全海域海面水温の平年値(1991〜2020 年)からの差
●2024年の世界の天候
2024年の世界の年平均気温偏差※3は+0.62℃(1〜11月の期間から算出した速報値)で、統計を開始した1891年以降、これまで最も高い値だった2023年の+0.54℃を大きく上回り、最も高い値となる見込みです。
【世界の年平均気温偏差の順位表(上位 5 年)】
1位 2024年 +0.62℃(速報値)
2位 2023年 +0.54℃
3位 2016年 +0.35℃
4位 2020年 +0.34℃
5位 2019年 +0.31℃
世界各地で異常高温が発生し、各国の月平均気温や季節平均気温の記録更新が伝えられました。また、中国南部〜東南アジアの台風(7、9〜10月)、スペイン東部の大雨(10月)、米国南東部のハリケーン(9月)など、世界各地で気象災害が発生しました。
※3 世界の年平均気温偏差
算出方法は気象庁ホームページ(次の URL)を参照。
https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/temp/clc_wld.html
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●2024年の台風の特徴と影響
2024年の台風の発生数は平年並みの26個(平年値25.1個)でした。 7月までの発生数は平年より少ない4個(平年値7.8個)でしたが、8月以降は平年より多い22個(平年値17.3個)発生し、年間の発生数は平年並みとなりました。
7月までは、春まで続いたエルニーニョ現象の影響で、北西太平洋の熱帯域で積乱雲が発生しにくくなり台風の発生数が少なくなったと考えられますが、8月以降はエルニーニョ現象の影響が小さくなるとともに、積乱雲が発生しやすい状況に変わり、台風の発生数が多くなったと考えられます。
日本への台風の接近数は平年並みの11個(平年値11.7個)、 日本への台風の上陸は台風5号、10号の2個(平年値3.0個)でした。
台風5号は、岩手県に上陸し、岩手県で記録的な大雨となりました。台風が東北地方の太平洋側から上陸したのは1951年(昭和26年)の統計開始以降3回目です。
台風10号は、非常に強い勢力で奄美地方、九州南部に接近し、強い勢力で鹿児島県に上陸しました。鹿児島県に暴風、波浪、高潮の特別警報が発表されたほか、西日本から東日本の太平洋側を中心に記録的な大雨となりました。
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