三谷幸喜氏 (C)ORICON NewS inc. 脚本家の三谷幸喜氏が9日、東京・渋谷のPARCO劇場で主宰する劇団・東京サンシャインボーイズの復活公演『蒙古が襲来 Mongolia is coming』のトークセッションを開いた。
【集合ショット】「東京サンシャインボーイズ」豪華メンバーが集結!
東京サンシャインボーイズは、日本大学芸術学部に在籍していた三谷氏を中心に1983年に旗揚げし、“最もチケットの取れない劇団”として一世を風靡(ふうび)した演劇集団。『12人の優しい日本人』『ラヂオの時間』『彦馬がゆく』などの名作を次々と生み出し、1994年の『東京サンシャインボーイズの罠』を最後に、“30年間の充電期間”に入った。
充電期間を終えた24年に、活動拠点としていた東京・新宿シアタートップスで復活作『老境サンシャインボーイズ「リア玉」』を上演すると宣言していたが、09年3月に活動拠点としていた新宿シアタートップスの閉館を受け、急きょ新作『returns』で復活。12日間の公演を終えた後、「これより15年間の休憩に入ります」というアナウンスとともに再度活動を休止した。
会見では、作・演出を務める三谷氏のほか、俳優の相島一之、阿南健治、小原雅人、梶原善、甲本雅裕、小林隆、近藤芳正、谷川清美、西田薫、西村まさ彦、野仲イサオ、宮地雅子、吉田羊といったメンバーが再集結した。
三谷氏は「東京サンシャインボーイズという劇団は僕が大学生の時に旗揚げいたしました。1983年だったでしょうか。それから一旦解散しまして、また再結成して、今のメンバーが大体集まってきた。また1994年に解散するという」と振り返ったが「正確な年月日は覚えていない。皆さん、Wikipediaで確認してから記事にしていただきたい」と付け加えて笑わせた。
解散の理由も言及。「当時、ものすごくお客さんがいっぱい入って『東京で1番チケットが取れない劇団』とまで言われたんですけども、僕自身は脚本家で俳優さんをこれから売っていかなきゃいけないという時に、事務所の社長みたいなことは当然できないし、でも俳優さんたちはもっともっとステップを上がっていってほしいと思った。そんな時に『解散するなら今じゃないか。今だったら、いろんな事務所の人がみんなを雇ってくれて、もっともっともっと役者として伸びていくポジションをつけるんじゃないか』という思いがありまして。で、その時、解散に踏み切ったわけでございます」と説明した。
「僕としては、解散というマイナスなイメージが何もしてなかったので『充電』と。30年の充電と言いました」と明かす。「当然、冗談のつもりで、30年経って、みんな集まることはないだろう、全員がそろってることもないだろうっていう思ってたんですけども、だんだん30年が近づいてきまして、その冗談が本当になってしまったがため、またここに立ってるということになっております」と三谷氏。そんな三谷氏から1番の古株であるとを紹介された梶原は「僕より前に入っていた方はすぐにいなくなりましたね」と苦笑い。「今、三谷さんが言ったように『そろそろ始めようか』と。30年後にやることを鵜呑みにした当時の制作スタッフがいまして。その方たちが、5年ぐらい前に『そろそろだね』という集まりをやってたみたいで。そうこうしてると、当時の劇団員の中に還暦を迎える役者がいたので、その人たちに誕生日プレゼントで赤い何かプレゼントしてて。ちょっとずつ集まった。そうこうしているうちに『チャンスだ』とこういう形になった」と経緯を明かしていた。
今回の芝居についても。「何をやるか考えた時に、昔、僕らがやってたコメディは全員が一致団結して難関を乗り切っていくみたいなコメディを割とやってたんですけども、そういうものをまた新しく作ることもできたし、もしかしたら昔やったものをもう1回作り直してリメイクして、今のみんなでやることもできたんですけども、どうせみんなが集まってやるんだったら昔のものじゃない、何か新しいものをやりたいなという気持ちが僕の中にありました」と三谷氏は話す。「当然、みんなも30年年を取ってるので、以前みたいなパワーなければ、バイタリティも昔よりは減ってるわけで。でも、みんなには今までの経験という蓄積があるわけですから。今の僕らができる芝居がないかなと思って。で、実は昔もやったことないような、すごく僕らにとって新しい題材で今回の芝居を作ってみました」と熱い思いを語る。「何にもない普通の朝。ある一家の日常生活を描く、そんな物語です。ただ1つ日常と違うのは、その日は蒙古襲来という大事件が起ころうとしてる。海の向こうから蒙古が襲来する。その日の朝の対馬の漁村のなんでもないない和やかな朝の物語を作ってみました。ちょっと僕らにとっても冒険なんですけれども、きっと楽しんでいただけるんではないかと思っております」と話していた。
舞台『蒙古が襲来』は、きょう9日から3月2日まで同劇場で。
■『蒙古が襲来』TOUR 2025
岡山:3月7日〜9日 岡山芸術創造劇場ハレノワ 中劇場
京都:3月13日〜16日 京都劇場
長野:3月21日〜23日 まつもと市民芸術館 主ホール
宮城:3月28日〜30日 電力ホール
北海道:4月3日〜6日 札幌市教育文化会館 大ホール
大阪:4月11日〜14日 SkyシアターMBS
愛知:4月18日〜20日 穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール
福岡:4月25日〜28日 キャナルシティ劇場
沖縄:5月3日〜5日 那覇文化芸術劇場なはーと 大劇場