作品賞を受賞した『ANORA アノーラ』 Photo by Kevin Winter/Getty Images第97回アカデミー賞授賞式が3月3日(日本時間)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、『ANORA アノーラ』が作品賞を受賞した。
同作は作品賞、監督賞、主演女優賞(マイキー・マディソン)、助演男優賞、脚本賞、編集賞の6部門にノミネートされており、そのうち5部門に輝いた。ニューヨークを舞台に、若きストリップダンサーのアノーラが、自らの幸せを勝ち取ろうと奮闘する等身大の生きざまを描いた、現代のアンチ・シンデレラストーリーとも呼ぶべき本作が、近年まれにみる混戦を一歩抜け出し、見事に作品賞を制した。
なお、同作は2024年・第77回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞。パルムドールとアカデミー作品賞を両方受賞するのは、『パラサイト 半地下の家族』(第92回)以来、3度目の快挙となる。
まず、製作総指揮のアレックス・ココが「この映画は600万ドルかけて、ニューヨーク市内でロケ撮影を行い、約40人のスタッフで制作しました。スタッフはいま、全員ニューヨークに戻っています。これは彼らへの贈り物です」と、関係者に感謝と祝福の言葉。そして、「インディペンデント映画を作ろうとしているなら、ぜひ続けてください。もっと必要です。これがその証拠です」と、オスカー像を掲げた。
この言葉を受けて、製作総指揮のサマンサ・クァンは、「私たちは、ほんの少しの資金で、心を込めてこの映画を作りました。夢を追う若い映画製作者の皆さん、伝えたい物語を語ってください。心を動かされる物語を語ってください。絶対に後悔しないと約束します」と、映画製作者を目指す人たちにエールを送った。そして、ショーン・ベイカー監督は「最後にインディペンデント映画を認めてくれたアカデミーに感謝します。インディペンデント映画が、作品賞を受賞しました。今、この舞台に立っているのは、インディペンデントの素晴らしいアーティストたちです」と最大限の感謝を示し、授賞式を締めくくった。
『ANORA アノーラ』は全国にて公開中。
(シネマカフェ編集部)