街頭演説する国民民主党の玉木雄一郎氏=1日、川崎市 国民民主党の玉木雄一郎代表は4日、不倫問題を受けた役職停止期間の満了に伴い、党首として活動を再開する。「対決より解決」を掲げる玉木氏だが、「年収103万円の壁」見直しを巡る与党との協議は処分中に決裂。高校授業料無償化に道筋を付けた日本維新の会にお株を奪われた。夏の参院選に向け、巻き返しに全力を挙げる構えだ。
「ガソリン暫定税率廃止法案を立憲民主党と国会に提出した。維新の理解が得られず、共同提出に至らなかった」。玉木氏は3日、維新が法案共同提出に同調しなかったとX(旧ツイッター)で明らかにし、維新への対抗意識をあらわにした。
玉木氏が役職停止3カ月の処分を受けたのは昨年12月4日。週刊誌の不倫報道がきっかけだった。衆院選で議席4倍の大躍進の立役者となった玉木氏だが、以来、代表としての活動自粛を余儀なくされ、「壁」見直しを巡る与党との協議にも表立って関与することはできなかった。
処分満了を受け、玉木氏は4日から記者会見を早速再開。週内に複数のテレビ番組に出演し、連合幹部と意見交換するなど、代表としての日程を詰め込んでいる。「玉木党」とも言われる党内からは「全力で取り組んでもらいたい」(浜口誠政調会長)と期待する声が上がる。
もっとも、玉木氏は役職停止中も「一議員」として盛んにメッセージを発信。スイスで世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)に参加したり台湾を訪れたりと、動きは処分前より活発だったと語る関係者も多い。連合内には「全く反省していない」(関係者)と眉をひそめる向きもある。