後継団体代表、2年で9回変更=債権者「執行逃れ、不誠実」―オウム賠償金10億円超、回収難航

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2025年03月12日 07:31  時事通信社

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時事通信社

「アレフ」施設前に停車した警察車両=2018年7月、東京都内
 オウム真理教の後継団体で、教団による一連の事件の被害者らへ10億円超の賠償金支払いが命じられた「Aleph(アレフ)」が、直近の2年で少なくとも9回、代表者を変更していたことが11日、関係者への取材で分かった。

 頻繁な代表者変更の影響で、支援団体「オウム真理教犯罪被害者支援機構」による賠償金の回収は難航。機構の中村裕二弁護士は「強制執行を逃れるために代表者をころころ代える『代表者隠し』で、誠実に対応していない」と批判している。

 関係者によると、アレフは2022年10月からの2年で少なくとも9回、代表者を代えた。この間、代表を務めたのは5人。3カ月の間に2度変更したこともあった。

 アレフを巡っては20年11月、被害者らへの賠償金約10億2500万円の支払い命令が最高裁で確定した。これを受けて機構は21年12月、財産の差し押さえに向け、財産内容の開示を裁判所に申し立て、認められた。アレフ側の最高裁への特別抗告が棄却された22年9月ごろから代表者が頻繁に代わり始めた。

 機構は官報などを基に、開示義務者であるアレフの代表者を特定し、裁判所に呼び出しを求めた。ただ、アレフ側は裁判所からの三度の出頭要請に応じずに手続きは終了した。

 アレフの代表者名は、公安調査庁に構成員や資産状況を3カ月ごとに提出する報告書に記載されるなどしている。しかし、機構が代表者変更をリアルタイムで知るすべはなく、裁判所に呼び出しを求めた時点で、代表者が別の人物に交代しているという状態が繰り返されていたとみられる。

 不出頭の理由についてアレフは「開示義務者に該当するとされる者が、財産開示期日の呼び出しの通知を受けて出頭を求められたことはない」と説明した。

 公安庁によると、アレフは昨年1月時点で少なくとも約7億円の現金や預貯金などの資産を有しているとみられるが、賠償命令後は一切の支払いに応じていない。

 賠償金が支払われれば被害者ら約500人に配当されるが、高齢化が進み経済的に困窮している人もいるという。中村弁護士は「後遺症で苦しむ方もおり、被害者救済は続けていかなければならない」と語気を強めた。 

このニュースに関するつぶやき

  • 政治家や財界人の中にオウムから金引き上げて旨い思いした奴いないのか? そう言う奴の資産没収して賠償に充てろよ
    • イイネ!17
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