画像提供:マイナビニュース「無駄遣いしてるかも」と思いつつも、ついつい習慣的に続けてしまう支出はないだろうか? ひとつひとつの支出は少額でも、積もり積もって家計を圧迫することもある。R&Gは、全国の男女500人を対象に「やめてよかった無駄な支出に関する意識調査」を実施し、調査結果を発表した。
○やめてよかった無駄な支出1位は「コンビニでの買い物」
全国の男女500人に「やめてよかった無駄な支出」を聞いたところ、1位は「コンビニでの買い物(24.4%)」であった。 2位「使っていないサブスク(20.8%)」、3位「外出先で買う飲み物(12.0%)」が続く。
「コンビニ商品」「外出先で買う飲み物」「大手キャリアのスマホ料金」など、割高感のある商品・サービスを削った人が多くなっている。 一方で衝動買いをやめるなど、買い方や消費スタイルを改めた人もいた。
○<1位 コンビニでの買い物>
・コンビニ弁当の購入をやめたら、バランスの良い昼食を取れるようになった(20代 男性)
・無駄な支出が減り、ダイエットにもなった(30代 男性)
・スーパーで買った方が安いから(40代 女性)
コンビニでは「新商品」「季節限定商品」「コラボ商品」など、魅力的な商品が次々に発売される。 そのため自宅や職場の近くにコンビニがあると、通勤途中についふらっと立ち寄ってしまう人も多いのではないだろうか。
ただコンビニ商品は、スーパーと比べて高めの値段設定になっていることも多いので、多用すると出費がかさみがちである。 コンビニ利用を控えたことで出費が減ったほか、健康に配慮できるようになり体重が減った人もいた。
○<2位 使っていないサブスク>
・配信内容のかぶっている動画配信サブスク。無駄な出費が減り、1年で計算すると結構な額となった(30代 男性)
・子ども用学習アプリのサブスク。大した額ではないけれど、毎月「使ってないのにな」と思いながら払う気持ちがなくなって、スッキリした(40代 女性)
・高い基礎化粧品を毎月定期発送で購入していたのをやめた。使わなくても問題なかったので、やめて節約になった(50代以上 女性)
サブスクの内容としては「動画・音楽配信サービス」「サプリメントや化粧品の定期購入」「洋服レンタル」「月払いのジム」などが挙がった。 内容は何であれ、契約しているのにまったく使っていないなら、無駄な支出になる。
解約することで節約になると同時に、「無駄がなくなり、気持ちがスッキリした」という声もあった。サブスクの解約手続きは手間に感じるかもしれないし、「本当に解約して大丈夫かな」と不安になるかもしれない。 しかし契約当初は便利に使っていても、時間が経てばあまり使わなくなるものもあるので、定期的な見直しが必要である。
○<3位 外出先で買う飲み物>
・毎回ペットボトルのお茶を買わない。ゴミを捨てるストレスが減り、節約にもなった(30代 女性)
・自動販売機で飲料を購入しない。1回の値段は小さいが、「ちりつも」で節約になっていると感じる(30代 女性)
自販機やカフェで飲み物やちょっとしたお菓子を買う支出は、「ラテマネー」と呼ばれる。
1回の支払い額は数百円程度であるが、積もり積もって大きな支出となり、家庭を圧迫するとされている。
そのため飲み物の購入をやめ、通勤や外出には水筒を持参するようになった人もいた。
○<4位 過度な嗜好品の購入>
・菓子パンを大量に買ってしまうことをやめた。罪悪感や、必要以上にお腹いっぱいになってしまうことが減った。また節約になった(30代 女性)
・スナック菓子の購入。以前は1日1袋くらい食べていましたが、やめました。お菓子の支出がなくなり、体重もすごく減りました。(50代以上 男性)
嗜好品はリラックスタイムやリフレッシュのお供であるが、「適度に楽しむレベル」を超えてお金をかけすぎると、家計を圧迫する。 また栄養のために飲んだり食べたりするものではないので、嗜好品を摂りすぎることで健康に悪い影響を及ぼすこともある。
実際に嗜好品をやめて体重が減るなどして、「経済的にも健康にも良かったと思う」と満足している人もいた。
○<5位 外食の費用>
・外食やテイクアウトを減らしたことで、月々の支出をかなり抑えられた。また自炊するようになったことで健康的な食生活を心がけるようになり、体調が良くなった(20代 女性)
・気の合わない友人とのランチ。お金が無駄だったし精神的にも楽になった(30代 女性)
・毎日のランチを外食にしていたこと。1日あたり1,000円の節約になり、食費以外にお金をかけられるようになった(30代 男性)
一般的に外食は自炊に比べて高くつくため、外食の頻度や予算を見直すことで、節約になる。また自炊は、体調管理の面でもメリットがある。 ただ、すべての外食をやめるのではなく、「日常使いはせず、特別な日に行く」「気の乗らない会食は断る」などの工夫をしている人も。
このような工夫で、外食の機会がより特別に感じられそうである。 外食が良い息抜きになることもあるので、すべて我慢するのではなく、家計とのバランスを見ながら楽しむのがおすすめである。
○<6位 高いスマホキャリア料金>
・携帯電話のキャリアを大手から格安SIMに変えた。回線自体はあまり変わらなくて、家ではWi-Fiを使っているので、前の携帯に比べてもデメリットはない(30代 男性)
・大手キャリアのスマホ契約をやめたら、大人2人分で月12,000円もの節約になった。お陰で無理なく子どもにお金を回せるようになった(40代 女性)
大手キャリアの契約を解除し、月額料金の安い格安SIMへ乗り換えた人が多くなった。
格安SIMだと1,000〜2,000円程度で使えるプランも用意されているので、大手キャリアから乗り換えることで享受できる節約効果は大きいであろう。
またキャリアは変えずに、オプションプランを省いて節約した人もいた。
○<7位 衝動買いでの無駄遣い>
・安いからという理由での衝動買い。無闇にものを買わなくなり、部屋が綺麗になった。本当に良いものにお金をかけることで、気持ちの満足度が上がった(20代 女性)
・ネットショップでとくに必要ないものを買ってしまうなど衝動買い。衝動買いをやめたら、計画的な支出ができるようになり、お金に対する不安が軽減された(50代以上 女性)
買うつもりがなかったのに、商品を見て欲しくなって買ってしまうのが衝動買いである。「可愛い」「かっこいい」「良さそう」という気持ちのままに買うことが悪いわけではないであるが、衝動買いしたものを結局使わないのはもったいないお金の使い方だと思われる。
欲しいなと思ったときに、「本当に必要なのか」「買ったとして、使うのか」を立ち止まって考えることで、衝動買いを防ぎやすくなる。 本当に気に入ったものや必要なものだけを買うことで、節約になり、満足度も挙がるとわかる。
○無駄な支出をやめることに不安を感じた人は約4割
駄な支出をやめることに不安を感じた人は、約4割と少数派であった。
費用の必要性を検討したうえで「無駄だ」と確信がもてたなら、やめることに不安はないであろう。
例えば「契約しているけれどまったく使っていないサービス」などは、自信をもって無駄だと判断できる。
ただ、コンビニやサブスクなど多くの人が習慣で使っているものは、「本当に不要なのか」「やめてしまって大丈夫か」という判断が難しく、不安になりやすいかもしれない。
○無駄な支出をやめることに不安だった理由は「また使いたくなりそう」
無駄な支出をやめることに不安を感じていた194人に「不安を感じた理由」を聞いた。
1位は「なかったら困るかもしれない(24.7%)」、2位は「ストレスが溜まりそう(20.1%)」であった。
以下、3位「手間がかかりそう(14.9%)」、4位「商品の質が落ちそう(10.8%)」、4位「体調不良になりそう(6.2%)」の結果となっている。
「困るかも」「ストレスが溜まるかも」など、どうなるかわからないから不安という人が多くなっている。 とくに長年慣れ親しんだ無駄遣いであれば、やめたときのイメージが湧きにくく、不安になりやすいと想像できる。
また「手間がかかるかも」という回答からは、支出をやめることで生活が不便になることへの不安も見て取れた。
○<1位 なかったら困るかもしれない>
・車の売却は悩みた。子どもが産まれて乗らなくなったものの、今後また必要になるかもと思い不安でした(20代 女性)
・「サブスクをやめることで、今後必要になったとき、すぐに利用できなくなるのでは」という不安があった。しかし実際にはあまり使わなかったことに気づき、無駄にお金を使っていたと実感しました(40代 男性)
・生命保険を継続しなかったが、年を重ねるごとに病気・入院などのリスクは増えるから不安だった(50代以上 女性)
主に「サブスク」「保険」「依存性のある嗜好品」をやめた人から、回答を得ている。
例えば動画配信サービスのサブスクであれば、具体的には「今はあまり見ていないけれど、解約した後に見たいコンテンツが追加されたらどうしよう」といった不安があった。
また保険なら、「解約後の病気がわかったらどうしよう」という不安があるであろう。とくに年齢が高くなって病気のリスクが高まっていれば、不安も大きくなると考えられる。
「完全にやめてしまうのは不安」という場合には、より安価なプランやサービスに乗り換える方法もある。
○<2位 ストレスが溜まりそう>
・ストレス発散方法だったので、やめたらストレスが爆発するかもと不安になりました(20代 男性)
・服の衝動買いをやめましたが、ストレス発散方法がなくなるのは不安でした(40代 男性)
・甘いものを毎日食べるのがストレス解消になっていた部分もあり、やめた直後はイライラした。でも慣れてしまえばストレスも感じなくなりました(50代以上 女性)
「衝動買い」「サブスク」「お菓子を買う」など、楽しみにしていた出費を削った人からの回答が多くなっている。
出費がストレス解消につながっているので、出費を削ることでストレス解消の手段がなくなり、イライラが溜まりそうだと不安だったのである。実際に「やめた直後は辛かった」という体験談もあった。
○<3位 手間がかかりそう>
・外食を減らし自炊・弁当に変えることで、朝起きる時間が早くなるため不安だった。自宅でご飯を作ったり洗い物したりなど、家事が増えるため負担になるかもと不安だった(30代 女性)
・外出先での飲み物購入をやめたが、水筒を洗って飲み物を入れるのが面倒だから、続くかどうか不安には思った(40代 女性)
外食やコンビニ弁当をやめた人からの回答が多くなった。
外食や中食をやめると、必然的に自炊することになる。今まであまり自炊してこなかった人が、「仕事や通学で忙しい中、きちんと料理できるのか」という不安を抱くのはごく自然であると思われる。
○<4位 商品の質が落ちそう>
・大手キャリアから格安SIMに変えたとき、通信速度が遅くなるかもという不安があった(20代 男性)
・高級すぎるスキンケアをやめたが、値段なりの良さがあると思い込んでいたから不安だった(40代 女性)
高い商品・サービスから安価ものに乗り換えた場合に、商品・サービスの質が落ちないか不安になった人も多いのがわかる。 「高い商品には、高いなりの良さや品質があるはず」と意識しているからであると思われる。
例えば「デパコスなどの高級化粧品には、プチプラ化粧品よりも良い成分が高濃度で配合されているはずだ」といった感情があると推測できる。 また大手スマホキャリアから格安SIMに乗り換える場合には、通信速度や音声品質の低下を心配する人が多い。 しかし実際には「安価な商品・サービスでも、問題なく使えている」「以前の商品・サービスと遜色ない」などの体験談が寄せられている。
○<5位 体調不良になりそう>
・サプリメントの継続利用をやめるとき、気になる症状が悪化しそうだと不安になった(40代 女性)
・「サプリメントを服用していたので今の健康がある」と思っていましたが、やめても今のところ普通の生活をしている。最初から効果がなかったのかも(40代 女性)
サプリメントや整体など、健康系の支出を続けてきた人から回答が寄せられている。
定期的に身体のメンテナンスしたり、健康にいいとされるサプリメントを服用している場合、やめることで不具合が起きないか不安になるのである。 施術やサプリメントに一定の効果を感じている人であれば、なおさら不安は大きくなると推測できる。 しかし実際には「やめても何も変わらなかった」という声もあった。
○無駄な支出をやめたことで困ったことがある人は13.8%
「無駄な支出をやめたことで実際に困ったことがあったか」を聞いたところ、困ったことがある人は「かなり困った」「少し困った」を合わせてわずか13.8%であった。
たいていはあまり困ることなく無駄な支出を削れるとわかった。
無駄な支出をやめる前に不安があった人の中でも、「困らなかった」という回答は多くなっている。 つまり実際に無駄な支出をやめてみることで、「本当に無駄だったんだな」と気づけるのだと考えられる。
なお、「かなり困った」「少し困った」という人がやめたものとして多かったのは、「嗜好品」と「コンビニでの買い物」である。 嗜好品には「依存性があるもの」「生活の一部になっているもの」「ストレス発散を担っているもの」も多いので、やめるのに苦労した人が多いと推測できる。
またコンビニは身近にあって便利で、すっぱりコンビニ利用をやめようと思うと、苦労することが伺える。 忙しくて自炊できない状況だと、クタクタになりながら自炊するよりもコンビニに頼るのが合理的な判断である可能性も。
完全にやめるのが難しい状況なら、「買う量を減らす」「今までは毎日利用していたが、利用禁止日を設ける」といった方法で、利用を今より減らすのもいいかもしれない。
○塚越菜々子氏の考察
コンビニはとても便利ですが、スーパーなどに比べ割高なものが多いことと、「ついで買い」によって支出が増えるので注意したい場所です。
サブスクは見直したい固定費の代表格。契約は簡単でも解約は億劫で、なんとなく続けてしまうこともよくあります。
とはいえ、辞めるとなると困るかもしれないと不安に思うのももっともです。そんなときは「お試しでやめてみる」のもおススメ。 解約などする前に「この1週間使わないでやってみる」ということです。「解約お試し期間」を設けることで自分にとって必要なのか、なくても意外と平気なのかわかるはず。 無駄かどうかを確認して、なくてもよいならより大切なところにお金を使えるといいですね。
○▼監修者紹介
塚越菜々子
株式会社KANATTA代表( https://mamasuma.com/ )
保険を売らないファイナンシャルプランナー(CFP・1級ファイナンシャル・プランニング技能士)
税理士事務所に15年間勤務し、500件を超える企業や個人の財務経理に携わる。
2017年に独立後、2800人の家計や資産運用のサポートを行う。
○【調査概要】
調査対象:全国の男女
調査期間:2025年3月17日〜18日
調査機関:自社調査
調査方法:インターネットによる任意回答
有効回答数:500人(女性328人/男性172人)
回答者の年代:10代 0.2%/20代 20.0%/30代 39.4%/40代 22.4%/50代以上 18.0%()