「カフネ」で2025年本屋大賞に選ばれた阿部暁子さん=9日午後、東京都港区 全国の書店員の投票で「一番売りたい本」を選ぶ「2025年本屋大賞」が9日発表され、阿部暁子さん(39)の「カフネ」(講談社)に決まった。
東京都内で開かれた発表会で、阿部さんは本屋大賞を「憧れ」と表現し、「自分を(この場に)立たせてくれたことを光栄に思う」と語った。
受賞作は、最愛の弟を亡くした法務局勤務の薫子が、弟の元恋人せつなに会い、彼女が勤める家事代行サービス会社「カフネ」の活動を手伝うようになる物語。2人は食べることを通じ、互いを理解していく。
阿部さんは岩手県花巻市生まれ、同市在住。08年に作家デビューし、「金環日蝕」「カラフル」などの作品がある。

「カフネ」表紙(講談社提供)

2025年本屋大賞に「カフネ」が選ばれ、書店員らと記念撮影する著者の阿部暁子さん(中央)=9日午後、東京都港区