与野党は3日の憲法記念日に当たり、それぞれ談話を発表した。要旨は次の通り。
自民党 国のかたちを定める憲法について主権者である国民の議論を喚起していくことは政治の責務だ。今後も国会での議論と国民の理解を車の両輪とし、早期の改正に向けて全力で取り組む。
立憲民主党 急速に発展したSNSの言論空間は差別や分断をあおり、民主主義の脅威にもなっている。権力の行使を抑制し、人権保障を確実にする立憲主義の精神にのっとった政治をつくる。
日本維新の会 少数与党の国会情勢は、特定政党に左右されない幅広い合意形成を図る絶好の機会だ。各党は政治的打算を捨て、国家百年の計として憲法改正に真摯(しんし)に向き合うべきだ。
公明党 国民主権、基本的人権の尊重、平和主義は日本が堅持すべき大切な理念だ。安全保障上の課題は外交的解決を最優先とし、9条の下で許される専守防衛の範囲内で防衛力を強化する。
国民民主党 時代に即した改正を目指す。護憲と改憲の二元論に拘泥することなく、幅広い国民との憲法対話を続け、憲法審査会を活性化し、必要な改正に向け開かれた国民議論をリードする。
共産党 憲法の平和原則を根底から覆す暴挙を断じて許すことはできない。平和も暮らしも脅かす戦争国家づくりを止めるため、「憲法守れ」の国民的な共同を広げることを心から呼び掛ける。
れいわ新選組 失われた30年の経済・労働政策がいかに憲法の保障する人権を破壊してきたか。国民生活を底上げし、日本を再興するための最後のとりでが憲法。本質的な議論を行うべきだ。
参政党 憲法の個人主義により失われた価値も大きく、家族や地域の絆は損なわれた。戦後80年の節目を迎える今年、個人と公共の利益が調和する新たな憲法を一から構想する草案を公表する。
日本保守党 わが国は戦後最大の危機を迎えている。9条の改正は待ったなしの状況だ。先人が守り抜いてきた日本国を後の世代に渡すため、占領下で作られた憲法を私たちの手で改正しよう。
社民党 戦争の放棄はただの理想論なのか。そんなことはない。対話による平和外交の確立こそ戦争回避の道だ。生活と命が最優先される平和国家への道を目指す勢力の拡大を実現しよう。