夕暮れの国会議事堂(資料) 石破茂首相(自民党総裁)と立憲民主党の野田佳彦代表らによる党首討論が11日午後6時に開催される。22日が会期末の今国会で最後となる見通しで、夏の参院選を前に与野党は、テレビなどでより多くの視聴者が見込まれる午後6時の開始で合意した。米価高騰対策などの政策論争や内閣不信任決議案への対応を巡る党首同士の直接対決が注目される。
衆参両院の国家基本政策委員会は5日の合同幹事会で、開催日時を決定。今国会での党首討論は5月21日に続き3回目。立民のほか日本維新の会、国民民主党が質問に立つ。
党首討論は午後3時からが通例で、最も遅いケースも午後4時半からだった。今回、仕事や学校などが一段落した時間帯での開催を強く求めたのは立民で、「コメや関税をテーマに攻める」(党幹部)構えだ。首相も務め党首討論の経験豊富な野田氏を前面に出し、東京都議選や参院選への弾みとする思惑がある。
物価高などの論点と並び、今回注目されるのは内閣不信任案を巡り緊迫したやりとりが交わされるかどうかだ。2012年11月の党首討論では、当時の野田首相が安倍晋三自民総裁に期日も明示した衆院解散を宣言したのは語り草。現在は野党第1党の党首として、不信任案提出に苦慮する野田氏がどう出るかが焦点だ。
自民は当初、夕刻開催に後ろ向きだったが、国会審議全体の円滑化を図るため、「野党に譲った」(国対幹部)格好。「1対1の論戦で押し負けることはない」(政府関係者)と首相に期待する声もある。首相は不信任案が提出されれば採決前の解散も視野に入れているとされ、緊張する場面もありそうだ。
終盤国会の「見せ場」としたいのは維国両党も同様。立民と比べ質問時間は短いが、不信任案に対しどういう立場を示すかも注目点だ。

2012年11月14日、党首討論で発言する自民党の安倍晋三総裁(左)と野田佳彦首相(肩書は当時)