労働者派遣業、「人手不足」で倒産最多ペースか

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2025年06月20日 07:20  ITmedia ビジネスオンライン

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東京商工リサーチは、2025年(1〜5月)の「労働者派遣業」の倒産について調査した(ゲッティイメージズ)

 東京商工リサーチが行った2025年1〜5月の「労働者派遣業」に関する倒産調査によると、倒産件数は累計53件で、前年同期比211.7%増と急増。1月から5カ月連続で前年同月を上回り、1997年以降で最多を記録した。現状のペースが続けば、年間最多件数を更新する可能性が高まっている。


【画像】労働者派遣業の倒産件数推移(東京商工リサーチ調べ)


 2025年5月の倒産件数は15件で、3月と並び年内最多。前年同月比では400.0%増と大きく伸びた。負債総額は5月単月で17億2700万円と今年最高額に達し、前年同月比で1737.2%増。1〜5月の累計負債額も55億9900万円(前年同期比439.4%増)と、1997年以降で過去最多を更新した


 倒産件数の増加に加え、「5億円以上10億円未満」の倒産が3件(前年同期はゼロ)、「1億円以上5億円未満」が9件(同4件)と、中堅規模の企業の行き詰まりが負債額の増加を押し上げている。


 倒産の形態別では、「破産」が51件で全体の96.2%を占め、前年同期の3倍に急増。他に「民事再生法」と「特別清算」がそれぞれ1件ずつあった。


 原因別では、「販売不振」が35件(構成比66.0%)と最多。業績低迷から抜け出せず、立て直す余力がない企業が破産による債務整理に追い込まれるケースが目立った。


 負債額別では、「1億円未満」の倒産が41件で全体の77.3%を占めるなど、小規模倒産が中心。「1000万円以上5000万円未満」が27件(前年同期比145.4%増)、「5000万円以上1億円未満」が14件(同600.0%増)だった。一方、一方、10億円以上の大型倒産は、2018年以降8年連続で発生していない。


 東京商工リサーチは、「派遣業界にも人手不足の波が押し寄せており、スタッフ確保が困難になっている。待遇面などで規模の差が広がり、中小・零細業者の脱落が倒産の急増につながっている」と指摘している。



このニュースに関するつぶやき

  • やってる事は昔のタコ部屋労働の上前ハネ同様なので泡銭稼いでるから同情の余地は一切無い…以前に働いた紹介派遣も酷い阿漕な会社だった…嘆息…
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