
19日、東京都内で100人が熱中症の疑いで搬送されたことがわかりました。この暑さで心配なのが野菜やコメなどの農作物。実は、早くも異変がみられていて、今後、価格や品質にも影響が出てくるかもしれません。
「ジリジリしてます」4日連続の“厳しい暑さ” 都内も100人が熱中症の疑いで搬送都内で19日から始まった「台湾フェスティバル」は、多くの人で賑わっていました。
会場を訪れていた近所に住む男性は、犬の散歩をしていたといい、Tシャツの胸元などは濡れていました。
「もう暑くてTシャツだけですよ」
毎年6月に開催しているこのイベント。季節外れの暑さで、去年にはなかったテントの屋根がテーブルの上に設置されていました。
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台湾フェスティバル実行委員会 岡田誠 会長
「あまりの暑さに午後1時ぐらいからテントの設置をし始めまして、みなさんに少しでも日よけができるように準備をしてもらったりしました」
“厳しい暑さ”が続くのは4日連続。19日は全国56地点で35℃以上の「猛暑日」となりました。
福岡県では今年初の「猛暑日」に。
大阪からの観光客
「暑いよね。ジリジリしています」
愛知からの観光客
「雨の予報だったから予想外に暑くて。服を間違えたと思った」
札幌では今年初めて30℃以上の「真夏日」となりました。
一方で、死者も。
岐阜県・池田町では90歳の男性が畑で倒れているのが見つかり、熱中症の疑いで死亡が確認されました。また、東京都内でも100人が熱中症の疑いで搬送されました。
暑さで果物にも影響が…
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シャインマスカットなどを育てる甲府市にあるブドウ畑では…
ブドウ農家 古谷崇さん
「全部焼けている状態。梅干し状になっている。ここまでひどい日焼け果は10年ぐらいで初めて」
暑さは価格高騰が続くコメにも影響を与える可能性があります。
岐阜県・池田町に広がる田んぼ。このそばの草むらで調べていたのは「イネカメムシ」です。その名の通り、稲を好むカメムシの一種で、稲の中の汁が吸われるとコメの品質に影響を与えます。
去年の調査では例年の7倍の数が見つかりましたが、今年も同じくらいとなる可能性があるといいます。
農研機構中日本農業研究センター 石島力 上級研究員
「イネカネムシの生育適温は28℃と高く、昨今の温暖化によって生育に有利な環境になっていると考えられている」
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去年、カメムシの被害に合い、収穫量が3割減ったという農家は…
金井農園 金井繁行さん
「こちら側がカメムシにやられた被害粒です」
通常の玄米と比べると、カメムシに吸われたコメは黒く変色していました。このため、今年はミントを植えることに。
金井農園 金井繁行さん
「ミントから放たれるにおいをカメムシが非常に嫌うということで、今年からチャレンジしてみようと思います」
都内の青果店は、野菜の生育に気をもんでいます。
ツカサ商店 郡司昂 代表
「トウモロコシ・枝豆などは気温が上がって、その分生育が早まっていて、7月のどこかでまた暑すぎて“しなびてくる”ということが不安」
このまま暑さが続くと収穫量が減り、値上がりする野菜が出てくると話します。
ツカサ商店 郡司昂 代表
「この時期に雨が少なくて高温だと、あっという間に疲れてしまって収穫できる期間が短く終わってしまう。7月後半とか8月に入ってから色んな野菜の相場がどんどん上がっていくと思われます。例えばトマトとかは8月半ば・後半くらいに相場が上がって、1個300円とか去年みたいな値段になっても全然おかしくない」