国立がん研究センター中央病院=東京都中央区 国立がん研究センターは25日、大腸の内視鏡検査で粘膜の変化を見えやすくする「TXI観察法」が、従来の観察手法より、ポリープや見つけにくい病変の発見率を高めるとの研究結果を発表した。がんの見逃し防止に寄与する可能性があるという。
TXI法は、粘膜表面の「明るさ」「構造」「色調」を際立たせ、病変を見つけやすくする新たな技術。研究では、国立がん研究センター中央病院(東京都中央区)を含む全国8施設で内視鏡検査を受けた計956人を対象に、通常光を用いた従来の観察手法と発見率などを比較した。
その結果、初期の大腸がんの発見数に差はなかったものの、ポリープの発見率はTXI法で82.4%、従来法で74.3%と差があった。凹凸が少なく見つけにくい病変でも、発見率はTXI法が76.5%と、従来法の70.3%より高かった。
ポリープなどの見逃しは大腸がんのリスクにつながるため、内視鏡による病変の早期発見と切除が鍵となる。40歳以上の人は便潜血検査による検診が推奨されており、研究チームのメンバーで同病院内視鏡科の豊嶋直也医師は「検診で精密検査が必要とされた場合は、大腸の内視鏡検査を受けてほしい」と呼び掛けている。